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中部ネパールヒマラヤのランタン谷で、自然保護と住民の生活向上を目的として、住民の自助努力による代替エネルギー導入等に対する援助を行うために、1986年に発足したボランティア団体です。主にこの地域で氷河・水文・気象・地形・生物などの調査を続けてきた研究者が中心になって設立されましたが、現在は一般の有志の方もたくさん参加しています。
薪や石油に替わるエネルギー源として小規模水力発電に注目し、ランタン村の夏の放牧地であるキャンチェンゴンパに、出力数キロワットの手作りのマイクロ発電施設を1987年に設置し、住民と供に維持管理法の研究、および住民に対する発電や電力利用法に関する社会教育を行なってきました。1996年に在ネパール日本大使館『草の根無償援助』資金を得て、ランタン本村に小規模水力利用施設を備えた公民館を建設してからは、識字教育のための夜間学級や、水力による粉ひきなど、代替エネルギー利用のトレーニングを続けています。また、薪の消費量を減らすためにカマドの改良や薪消費の実態調査なども試みてきました。
これまでの活動により、住民の電気に対する認識が深まり、何とか電気を本格的に利用したいという要望が住民から出されるようになりました。それに対して我々は、彼ら自身が主体となって、本当に村に根付くような新しい技術を導入しようとするならば、友人としてできるだけの援助をしたいと考えてきました。これまで、村周辺の水源調査を行って、どこでどれだけの水力利用が可能であるかを調査したり、他の地域での小規模水力利用の実態を参考にして、彼らにとってどのようなシステムが最も必要で利用価値が高いのかを、住民と供に考える作業を進めてきましたが、98年度、再び在ネパール日本大使館『草の根無償援助』資金を得て、小規模水力発電施設を拡張し、村の全家庭に配電するとともに、電気を使ったチーズ作りやパン作りのための作業所を建設することができました(「MPPU拡大計画」ニュースレター21,22参照)。ランタン公民館開発委員会(LTBS)の活動が軌道に乗るまで、まだ数年間は見守る必要がありますが、今後は基本的に彼等の自主努力にまかせ、直接的援助はなるべく行わない予定です。今後の活動については、必要があれば改めて提案させていただくことにしたいと思います。今後もニュースレターで現地の様子などをお知らせしますので、御意見をおよせください。今後も住民とじっくり気長につき会い続けることが可能なボランティア団体の長所を生かして、彼らの中に確実に根を下ろすような援助を続けて行きたいと考えています。
当初の目的が一応達成されたため、「MPPU拡大計画」の活動は今年度で終了としますが、必要があれば1年に1度程度、施設運営やLTBS活動に対するアドバイスのための人員を派遣する予定です。それ以降の活動については、会員集会や報告会を開催し、皆様の御意見を伺って、必要があれば改めて提案させていただく予定です。
今後数年間は大きな現地活動をしない予定ですので、会費としての資金援助のお願いはいたしません。必要があれば1年に1度程度、人員派遣をする予定ですが、これが可能な体制を維持するには、だいたい年間20-30万円程度の予算は必要です。しかし、「MPPU拡大計画」終了現在、会の予算残高は数万円の赤字で、なんとも心もとない現状です。長期滞納の方など、この機会にご送金いただければ幸いです。現状をご理解いただき、会員の皆様からの御寄付を心よりお願い申し上げます。
事務局代表 幸島司郎 Email : kohshima@wrc.kyoto-u.ac.jp
ランタンプラン代表 貞兼綾子 Email : asadakane@nifty.com
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