地球の陸地面積のたった6%ほどである熱帯雨林には、全生物 種の半分以上が生息していると言われています。特に,アマ ゾンの熱帯雨林は世界最大で、大変重要な場所として注目されています。 ブラジルのアマゾン中心部に位置するマナウス周辺に は特に多様な生態系が存在します。しかし現在、その貴重な生態 系が、都市の急速な拡大によって失われており、マナウスの生 態系破壊をくい止め、地域社会の持続可能な発展をはかること が、緊急課題となっています。 この問題の解決には、絶滅の 恐れのある生物やその生息場所の研究・保全を進めることが 必要です。そして正確な情報にもとづいた環境教育によっ て、地域住民がこの問題を正しく理解し,環境に配慮した社 会を作り,維持していくことが不可欠です。 私たちのプロジェクトでは、この貴重な生態系が身近に広 がるマナウスの立地条件を活かして、博物館のように従来の 「箱もの」に展示物が入っているというスタイルではなく、地 域の自然や人々の営みそのものを展示物とみなし、研究・保 全・普及活動を行うことで、地域社会の持続可能な発展に寄 与することを目指しています。私たちは、このような総合的な アプローチを「フィールドミュージアム」と呼んでいます。
フィールドミュージアムでは最新の研究内容が重要なコンテンツとなります。本プロジェクトでは以下の研究を進めていきます。
アマゾンの森林における動植物の相互作用に関する研究
アマゾンに生息する生物のゲノム研究
魚類の飼育実験と展示
超音波テレメトリーによる魚類のリアルタイムモニタリング
アマゾン川の水中生物音リアルタイムモニタリング
アマゾンマナティーの行動生態の研究
アマゾンカワイルカの水中音声行動の解明
フィールドミュージアム運営のための社会システム整備
フィールドミュージアムの拠点として、以下の2ヶ所の施設整備を進めていきます。
クイエイラスリサーチステーション
科学の森(Bosque da Ciesncia)