野生動物研究センターでおこなっている研究内容

ITP-HOPEによる研究

ヒョウの研究


ヒョウの生態や行動について、トラップカメラや糞センサスなどから調査をおこなっています。ヒョウの糞からは、獲物となった動物の骨や毛などが形を保ったまま出てくることが多く、どういった動物がよく餌食となるのかを推定することができます。

カニの視覚による種内コミュニケーションについて


ハクセンシオマネキのオスが見せる多様なハサミ振りディスプレイの研究を行っています。本研究により、ハクセンシオマネキのオスが何種類もの異なるディスプレイを使い分け、他個体とコミュニケーションを取っていることがわかってきました。
※本研究はBBC Wildlife (Autumun 2010; Vol.28 Number10) にて紹介されました。

ハイラックスの研究


タンザニアの疎開林で、ブッシュハイラックスのため糞の情報をもとに、コロニーの分布や行動範囲の推定をおこなっています。ミオンボ疎開林では夜間もけっこう行動していることなどが明らかになりつつあります。

イルカ・クジラ類の行動学


ハンドウイルカ、ミナミハンドウイルカ、ベルーガ、シャチ、イロワケイルカなど、野生個体や飼育個体を対象に、休息・睡眠行動(どうやって眠っているのか)、社会行動(互いに触れ合ったり、一緒に泳いだりする行動の意味)、音声行動(どんな音声コミュニケーションを行っているのか?)に関する研究を行っています。

動物園との共同研究


京都市動物園(京都)

東山動植物園(名古屋)
(写真:東山動植物園提供)

動物園で飼育されているさまざまな動物を対象として比較認知科学的研究や、動物福祉に関連した研究をおこないます。当初連携する動物園は、京都市動物園東山動植物園です。
京都市動物園での研究が読売新聞で紹介されました。

フィールドからラボまで


糞や毛など、非侵襲的に得られた試料から遺伝子やホルモンを解析することにより、野生動物についての理解を深め、生息地の保全や飼育環境の改善に役立てます。

哺乳類の視覚コミュニケーション・嗅覚コミュニケーション


視覚コミュニケーションに関係した、霊長類やオオカミの形態や色彩の研究。嗅覚コミュニケーションに関連した、クロサイやシロサイの行動(排尿、排糞、匂いを嗅ぐ行動など)の分析を行っています。

氷河生態系に関する研究


ヒマラヤ、パタゴニア、アラスカ、中国、ロシア、グリーンランドなど、世界各地の氷河生態系を調査し、氷河生態系の特性、生物学的アイスコア解析による古環境復元、および雪氷微生物が氷河表面を暗色化すること(アルベド改変)による氷河融解促進効果に関する研究を行っています。

野生動物のDNAの保存


霊長類、イヌ、イルカなどの哺乳類、ニワトリ、オウムなどの鳥類の、一万点以上のDNA試料を保存し、研究しています。一見したところ、プラスチックチューブの中の透明な液体ですが、これらは貴重な情報を含む遺伝資源であり、いわば DNAの動物園です。

野生チンパンジーの研究


タンザニア共和国マハレ山塊国立公園・ウガラ地域、ギニア共和国ボッソウに生息するチンパンジーを中心に、野生チンパンジーの社会、行動、生態などの研究をおこなっています。

屋久島の野生ニホンザルの研究


世界遺産の島、屋久島に生息するニホンザルの社会、行動、生態などの研究をおこなっています。
屋久島観察ステーションについてはこちら。
屋久島フィールドワーク講座についてはこちら。

幸島の野生ニホンザルの研究


イモ洗いで有名な天然記念物の野生ニホンザルのいる幸島に生息するニホンザルの社会、行動、生態などの研究をおこなっています。

熊本サンクチュアリでの研究


© Kumamoto Sanctuary


チンパンジーを対象にした比較認知、福祉(環境エンリッチメント)、長寿、生態、行動、社会学的な研究をおこなっています。また、特殊な実験装置を使った実験や、人工的に特別な環境・場面を設定した観察、さらには非侵襲的であれば分子生物学や獣医学的な研究も可能です。

健康長寿研究


© Kumamoto Sanctuary

比較科学の立場から飼育下チンパンジーおよびヒトの福祉と長寿について研究をおこないます。熊本サンクチュアリにて、特に環境エンリッチメント、認知能力、加齢について応用研究を推進します。

チンパンジーによる自然の事物のカテゴリー化


私たちヒトと同様に、チンパンジーたちも自分たちが住む世界の事物をカテゴリー化しているはずです。そのカテゴリーは、誰かから教わったものではなく、その世界で生活していく中で、自ら作り上げたものでしょう。そのようなカテゴリーについて、調べています。

霊長類各種における視覚的好み


チンパンジーやテナガザルを対象にして、「好み」の研究をしています。ここでの「好み」とは、他の対象に比べて相対的により多く注意が向くという意味で使っています。さまざまな種の写真を提示して、どの写真をより多く選ぶかを調べる簡易なテストでわかってきました。それによると、飼育下のチンパンジーやテナガザルはヒトの写真をもっとも好みました。これは彼らの養育歴に関係がありそうです。

タッチパネルを使ったチンパンジーのお絵かき


チンパンジーをはじめとする大型類人猿がお絵かきをすることは、これまで多くの研究者が報告しています。私は、タッチパネルを使ってお絵かきを記録することで、より詳しい分析ができると考えています。

ボルネオ・オランウータンの生態と行動


ボルネオ島ダナンバレーの原生林に野生ボルネオ・オランウータンの調査地を設定し、2004年から個体識別と個体群密度センサス、果実量センサス、追跡観察による採食行動、社会行動の分析を継続しています。