女子ワイルドライフ・サイエンティスト養成講座 第6回
動物園で「種の保存」を体験してみよう2!!
今回は、「動物園の動物の糞中ホルモンの研究」について紹介しました。
動物園では、「種の保存」のため、動物の繁殖に取り組んでいますが、
実験動物や家畜ではない動物園の動物(=野生動物)は、研究例も限られ、
繁殖の仕組み(繁殖生理)はわからないことばかりです。
これを解明するためのキーワードが「ホルモン」です。
「ホルモン」を調べることで、動物の排卵周期を調べたり、妊娠判定などができ、
繁殖生理をを明らかにすることができるといわれています。
今回は京都市動物園のグレビーシマウマにおけるホルモン研究について、その他の
繁殖についての取り組みをお話ししました。後半は参加者の皆さんに、研究室でふだん
行っている実験の一部を体験してもらいました。
参加した皆さんはいかがだったでしょうか?
この機会に、ホルモンの働きや、動物園での研究について、今までよりもっと興味をもってくれたらうれしいです。
プログラム
13:00 企画説明
13:10--14:00 レクチャー
動物園における種の保存の必要性について
グレビーシマウマの保全についての現状
(休憩10分)
14:10--15:00(獣医さんと行く)アフリカの草原のガイドツアー
キリン舎訪問
キリン・シマウマ飼育担当者による動物ガイド
キリンへの給餌体験&採食の観察
15:00--15:20 ホルモンの働きと検査法について
京都市動物園のキリン、シマウマ、ゴリラを例に
15:20--16:00 ホルモン測定法実習
検査の一部を体験してもらいました。
16:00--16:30 動物園獣医さんによる動物病院施設の案内
[質問タイム]
16:30 閉会


まずは動物園における「種の保存」について勉強します。

今回の「保存」の対象であるグレビーシマウマの国内外の現状について勉強します。

実際にシマウマたちに会うために園内見学に出発

キリン舎を訪問して、担当者から説明を聞きます

その後、実際にキリンの餌となる樹の葉を差し出します。

キリンの食べ方について観察しました。

動物病院検査室に移動して、いよいよ実習。

乾燥させた糞をほぐして、1グラムだけを別に取ります。

ハカリで正確に1グラムを取ります。

病院内の治療室に移動して、獣医さんから説明を聞きました。
本講座の目的は,女子中学生,高校生たちに本物に出会って,
感じてもらうことです。そのために,あえて生息域外での
「種の保存」の中心となる動物園で、実際に「保存」の対象に
なる種を見ながら,実際の手続きの一部を体験してもらいました。
指導したのは本物の獣医師であり、動物の飼育担当者です。
動物園だからこそ味わえる「リアルさ」を、参加してくれた
生徒たちも感じてくれたのではないかと期待します。
本年度の「女子ワイルドライフ・サイエンティスト養成講座」は、
6回目となりました。実習も3回目です。この間、何度も参加して
くれる「リピーター」の方たちもできました。私たちの取り組みが、
彼女たちの将来を考える上で、よい参考材料になることを祈ります。
文責: 田中正之 京都市動物園 生き物・学び・研究センター長 /京都大学野生動物研究センター 特任教授
イベント概要
女子ワイルドライフ・サイエンティスト養成講座
第6回:
動物園で「種の保存」を体験してみよう2!!
日時: 2014年 2月 23日(日) 13:00--16:30
会場: 京都市動物園
参加者:生徒8名 保護者7名(定員:10名)
お問い合わせ先
女子ワイルドライフ・サイエンティスト養成講座事務局
girls-wildlife@wrc.kyoto-u.ac.jp
講演者への質問も受け付けます。気軽にメールしてください。
*メールには、送信者のお名前と学年(または年齢)を必ず書いてください。


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