JSPS Core-to-Core Program, A.Advanced Research Networks "Tropical Biodiversity Conservation"

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フィールド&ゲノム科学実習

本実習は、グローバルCOEプログラム「生物の多様性と進化研究のための拠点形成」(2007-2012年度)で重視して実施してきた取り組みを、発展させるべく引き継いだもので、京都大学が伝統的に重視してきたフィールドワークと、最新の分子生物学的研究の両方の技術を身につけた、新しい世代の研究者を養成する目的で、海外の学生との研究交流も兼ねて、生物科学専攻と共同で企画・実施されています。


2013年度

世界遺産の島・屋久島で、海外からの大学院生と共に、フィールドワークを経験しませんか?豊かな自然を五感を使って感じ取り、自らの手足を動かして、観察やサンプリングをします。何ごとも、見聞きするのと、実際にやってみるのは大違いですが、特にフィールド調査は、実際に現場にいって初めて実感できることが多いものです。野外調査の経験や、大学院での研究分野は問いません。野外調査をしたことがない方や、大学院ではミクロの研究を志している方も歓迎します。 実習は、英語を公式言語としますが、参加者の英語能力は問いません。英語で話した経験の少ない方や、英会話に自信がない方の参加も歓迎します。海外からの同世代の参加者と積極的にコミュニケーションを取ってみてください。

募集要項・応募はこちらから。締め切りは2013年3月31日(日)です。
募集対象者は京都大学理学研究科 生物科学専攻に所属する大学院生のみとなりますので、ご了承ください。
理学研究科生物科学専攻(修士課程)の正式な単位として認められます。

屋久島フィールド実習
開催日: 2013年 5月24日-6月1日
さまざまな分野の生物学を専攻する学生に、野外での生物調査方法を学んでもらうことを目的としています。
●イタチ班
屋久島にはイタチが生息していますが、ほとんど調査がされておらず、情報は非常に限られています。イタチの糞などの痕跡を探して歩き、糞の採取を試みます。糞から得られる情報も利用して、屋久島のイタチの情報を蓄積していきたいと思います。直接観察は、あまりできないことが予想されるので、自動撮影装置なども使ってみたいと思います。試行錯誤を重ねながら、調査をすすめることになるでしょう。
糞が取れれば、糞分析を行い、何を食べているか探りたいと思います。
なお糞を探している時にサルやシカには出会えるますので、これらの動物も適宜観察します。
●サル班
屋久島の西部地域では1975年よりヤクシマザル(ニホンザルの亜種)の長期研究が継続されており、野生のサルを直接観察することができます。サルは観察者になれているので、近くから観察することができますが、山の中でサルについていくのは、意外と難しいかもしれません。講師の指示に従って、追跡を試みてください。
また、糞を採取し、何を食べているかを探ったり、糞から得られるDNA情報を分析します。できれば個体を特定して、糞を採取したいと思います。糞をする瞬間を見落とさず、その個体の識別を確実にしたうえで、糞を採取してください。サルの採食行動を観察し、実際に何を食べているかも調べます。サルが食べていない時は、社会行動の観察もできるでしょう。
サルの食べる食物を中心に、屋久島の低地照葉樹林の植物を観察します。また、サルの食物となる植物を中心に、採取を行い、その同定をします。

ゲノム科学実習
開催日: 2012年 6月3日(月)-10日(月)
本実習では、屋久島フィールドワークで集めてきた糞のサンプルを使って、糞からDNAを抽出・精製してから、DNA情報の取得、腸内細菌のメタゲノム解析、寄生虫のDNAによる同定を行う。


2012年度
ブラジル・マレーシア・インドの三カ国から6名の外国人学生を受け入れ公用語を英語とし、ヤモリ班とサル班の2グループに分かれて実習を行った。
ヤモリ班概要:
屋久島にはヤクヤモリとミナミヤモリに二種が分布しており、交雑個体も確認されている。屋久島ではミナミヤモリの分布は限定的で、集落に近い場所にいることから、最近になって屋久島に入ってきた可能性がある。2005〜2008年に行われた分布調査と比較し、分布域と交雑の進行などを調査する。
サル班概要:
屋久島の西部地域では1975年よりヤクシマザルの長期研究が継続されており、野生ニホンザルの直接観察ができる。ヤクシマザルの追跡調査を行い、彼らがどのように動き何を食べているかを調べる。また大量に実のなっている菜食樹の近くで定点観察を行い、どのような動物がどの程度の果実を食べているのかを調べる。
屋久島フィールド実習
開催日: 2012年 9月7-14日
ヤモリ班実習レポート ●サル班実習レポート
ゲノム科学実習
開催日: 2012年 9月18-21日
ヤモリ班実習レポート ●サル班実習レポート