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アマゾンカワイルカの水中行動の解明

ブラジル

Vera da Silva 博士 (INPA)

2.研究の背景

アマゾンカワイルカはアマゾン川に生息する淡水のハクジラの仲間です。違法な捕獲や生息地の分断などにより近年個体数が減っており、絶滅を防ぐために保全を行うことが急務となっています。そのためには、彼らの行動や生態を理解することが必要ですが、濁った水中に生息する彼らがどのように生活しているか、これまでほとんど研究が行われてきませんでした。

3.研究の目的・方法と期待される成果

本研究では、各種のデータロガーを用いてアマゾンカワイルカの水中行動を明らかにすることを目的としています。特に、彼らの音声行動に着目し、彼らがどのように他個体とコミュニケーションを行っているのか、また、どのようにエコーロケーションを利用して餌となる魚を捕まえているのか、という点を明らかにします。

4.フィールドミュージアム構想に対するインパクト・貢献

アマゾンカワイルカの保全のためには、マナウスや近郊の一般市民に彼らの生態や行動を理解してもらうことが重要です。本研究で明らかになった成果は、INPA内のBosque da Ciencia(科学の森)でフィールドミュージアムのコンテンツとしてマナウス市民への教育プログラムとして利用されます。

5.人材育成面でのインパクト・貢献

ブラジル側共同研究者とデータをシェアすることによって、現地研究者や学生の研究に役立てることができます。

写真1.アマゾンカワイルカ。オスは成熟するとピンク色になる。Mamirau自然保護区で撮影。


写真2.データロガーがついたアマゾンカワイルカ。音響データロガーと加速度データロガーから彼らが水中でどのように他個体とコミュニケーションをとっているのかを調べる。