2012年5月

熊本サンクチュアリに3人のチンパンジーがやってきました
仲間と暮らすための努力についての報告
仲間と暮らすための努力についての報告

2012年5月15日、熊本サンクチュアリに新しい仲間がやってきました。
ムサシ、ショウボウ、キャンディーの3人です。
彼らは、アカンボウの時に日本に連れてこられて、およそ30年間、一人で屋内の小さな檻の中で暮らしていました。 30年ぶりの青空、30年ぶりの地面、30年ぶりの大げんか。30年のブランクを取り戻すのは大変です。 これから沢山のことを学んでいかなければなりません。

そんな3人の、チンパンジーらしい暮らしを取り戻すための努力の様子を報告します。

 
2012.05.16 Day 02 3人が部屋に出ました
3人は元気にしています。餌も完食しています。
今日は計画通り、朝から麻酔下で部屋備え付けのケージに移し、午後から部屋へ出しました。
キャンディーもムサシも、静かにゆっくり部屋を探索し、消防ホースや木製ベンチなどを調べていました。ショウボウはヒトへの依存心が強いのか、フェンス越しにヒトの方ばかり見て、ヒャーヒャーと甘えた声を出し続け、部屋の探索は出来ませんでした。(下写真)
キャンディーは今夜から、部屋暮らしを始めます。ショウボウとムサシは、夜間はケージ、昼間は部屋で過ごすことになります。
誰もまだフェンスや消防ホースを「登る」という行動ができていません。ハンモックもベッドも、使うのにはまだ暫くかかりそうです。
(文:鵜殿俊史)
熊本サンクチュアリにチンパンジーがやってきました キャンディー キャンディー
熊本サンクチュアリにチンパンジーがやってきました ムサシ ムサシ
熊本サンクチュアリにチンパンジーがやってきました ショウボウ ショウボウ
2012.05.21 Day 07 キャンディーが屋外に出ました
今日の午後3時、キャンディーを屋外運動場に出しました。
しばらくは戸惑っていましたが、ゆっくり周囲をチェックしながら、前面フェンスまで出てきてくれました。野イチゴを食べる余裕は無かったようですが、地面に座り周囲の草を折り敷いてベッドメーキングをしてくれました。これはなかなか飼育下のチンパンジーでは出来ない行動で、キャンディーにしっかり野生味が残っている証拠です。
キャンディーは、明日から毎日、日中は屋外で暮らします。
ムサシ、ショウボウも今日は屋外に面する窓を開放しました。植栽や有明海が見えたはずですが、毛を逆立てて見回すものの、余り大きな反応はありませんでした。 オスは見知らぬ環境に行くと、気配を消して先住者に存在を知られないようにします。ムサシ、ショウボウは、息を殺し、足音を立てずに歩いています。まだ緊張感が強いようですね。
ムサシとショウボウの同居をそろそろ始めようと思っています。
(文:鵜殿俊史)
30年ぶりに屋外に出るチンパンジー キャンディー屋外に出る
30年ぶりに屋外にとまどうチンパンジー とまどうキャンディー
30年ぶりに屋外に出てベッドメーキングをするチンパンジー キャンディーのベッドメーキング
はじめて屋外を見たチンパンジー ムサシ外を見る
はじめて屋外を見たチンパンジー ショウボウ外を見る
2012.05.29 Day 15
ムサシ、ショウボウは昨日からお見合いをしています。
ショウボウはムサシが好きでどんどん近寄っていくのですが、ムサシは緊張し戸惑っているようです。神経質なムサシと脳天気なショウボウでうまくかみ合いません。
キャンディーは、時々高いところまで登ることがあるようですが無理な冒険はしません。インドア派なのか涼しい屋内の方が好きなようです。まだまだ肌が真っ白ですね。
3人とも、肉体的にも精神的にもまだリハビリが必要です。
これからどの様に変わっていくか、見るのがとても楽しみです。
(文:鵜殿俊史)
別のチンパンジーと初めて顔合わせ ムサシ、ショウボウ見合い(05/28)
別のチンパンジーと初めて顔合わせ ショウボウを威嚇するムサシ(05/29)
駆け寄るキャンディー 駆け寄るキャンディー(05/29)
2012.06.05 Day 22 ショウボウ、ムサシ、外に出て同居しました
今日の午後、ムサシ・ショウボウを初めて屋外運動場へ出し、同時に二人の同居を行いました。不慣れな環境では、顔見知りを頼り合う心理を利用した同居方法です。
30年ぶりに初めてチンパンジーのムサシが屋外に出た瞬間
ムサシ初めての一歩
初めてムサシが屋外に出た瞬間です。恐る恐る周囲を見回し、ゆっくり周りを調べ始めました。
30年ぶりに初めて空を見上げたチンパンジー
空を見るムサシ
驚いたのか口が開いています。
やっと出てきたショウボウ
やっと出てきたショウボウ
雨が嫌だったのか、ミカンで誘導し、やっとショウボウが出てきました。よたよた歩いた後、座り込んでキャーキャー鳴き始めました。
ムサシ、ショウボウ初接触
ムサシ、ショウボウ初接触
ショウボウに気付いたムサシがショウボウに接近。
威嚇し返すショウボウ
威嚇し返すショウボウ
なぜかショウボウは威嚇し返しました。面食らったムサシは走り去り、
初めて会うチンパンジーにとまどう
とまどうムサシ
なんだあいつは?という表情。
全くかみ合わない二人
全くかみ合わない二人
二人はお互いに自分の方が偉いと思っているようで、歩み寄りが全くありません。敵意はないのですが、ムサシは警戒心を解きません。
ディスプレイしあう二人
ディスプレイしあう二人
目を合わせず虚勢を張り合い、何度か同時にディスプレイ(誇示行動)しました。
帰りを急ぐ二人
帰りを急ぐ二人
二人が距離を取ったまま動きがないので、同居練習は終了しました。扉を開くとムサシはショウボウを押しのけ帰って行きました。最も二人が接近した瞬間でした。
ムサシは神経質で他個体との付き合い方がやや不器用なようです。ショウボウはトンチンカンで、まるで子供です。残念ながら今日の所は、大きな進展はありませんでした。彼らには仲人役の第3者が必要かもしれません。
(文:鵜殿俊史)
2012.06.06 Day 23 ムサシ、ショウボウの同居練習
再度ムサシ、ショウボウを屋外放飼場へ出して、同居の練習をしました。
やはりムサシはショウボウが気に入らないらしく、出会うといきなり追いかけ始めました。鳴きながら、涎を垂らしながらの追跡なので迫力に欠け、ショウボウは余裕で逃げ続けました。暫く追いかけ回し、息切れして一休み、また追いかける。これを何度か繰り返した後、ショウボウが振り返りざま「いい加減にしろ!」と一発お見舞いししました。それでムサシは戦意喪失しました。
オスのチンパンジーのもめ事で、相手を捕まえ損なう事、鳴いてしまう事は、負けと同じ意味があります。今回はショウボウの完全勝利でした。
その後一度、ショウボウがムサシに後ろから抱きつき、和解しようとしたのですが、ムサシは怖かったようで、受け入れませんでした。
その後はお互いに少し距離を取りながら、日光浴やフィーダーのチェックをしていました。
(文:鵜殿俊史)
必死なムサシ 必死なムサシ
いい加減にしろ いい加減にしろ!の一撃
仲直りのハグは失敗 仲直りのハグは失敗
30年ぶりに日に当たるチンパンジー 日に当たるムサシ
フィーダーをチェックするショウボウ フィーダーをチェックするショウボウ
2012.06.12 Day 29 ムサシ、ショウボウの同居: 共通の敵作戦1日目
少し間が空きましたが、今日のムサシ、ショウボウの同居の結果をお知らせ致します。
実は先週末、我が儘なムサシがショウボウにちょっかいを出して、怒ったショウボウに背中を咬まれるという事件がありました。毛が少し抜けただけですが、これでムサシはショウボウに近づかなくなり、それ以来二人の交渉が無くなってしまいました。
そこで今日は隣の運動場に、性格の穏やかなシロウと無害なジョージを出して、二人を刺激してみました。「共通の敵作戦」と呼んでいる群れ作りでよくやる手法です。
放飼直後、少し牽制し合っていたムサシとショウボウですが、隣にシロウ、ジョージの姿が見えた途端、悲鳴を上げながら抱き合いました。特にムサシは、ショウボウの足にしがみつき悲鳴をあげていました。お互いにお尻をチェックする姿も確認できました。思惑通りでした。
やっと距離が縮まり、安心しました。
時間がたつと、ショウボウは隣のシロウに対し友好的な態度を示していましたが、ムサシはシロウから距離を取ったままでした。二人の社会性の違いは明らかで、ショウボウはシロウとすぐにでも同居できそうですが、ムサシには無理そうです。ムサシはなかなか難しい個体だということが判りました。
(文:鵜殿俊史)
牽制し合う二人
フェンス越しの対面
抱き合う二人
お尻をチェックし合う二人
2012.06.13 Day 30 共通の敵作戦2日目
今日も共通の敵作戦を行いました。経過は昨日と全く同じでした。
二人が鳴きながら励まし合う姿が、連続写真(下写真)で撮れました。
順に見ていくとパラパラ漫画のように動きが見えてきます。二人は一緒に居ることに全く抵抗がなくなったようです。
お楽しみ下さい。
明日は、ショウボウとシロウの同居を試してみます。
(文:鵜殿俊史)
2012.06.14 Day 31 ショウボウとシロウ、ジョージを同居させました
これまでのフェンス越しの対面の様子から、シロウはショウボウに友好的だと思われましたので木曜日(14日)、
この二人の同居に踏み切りました。
シロウは見知らぬ個体にも非常に寛容で、過去の群れ作りで重要な役割を演じてきました。非常に小柄ですが、自分の2倍の体格の相手に脅されても、怯まず立ち向かう勇敢さも持っています。万一ショウボウが攻撃的に振舞っても、シロウなら大丈夫という確信がありました。
突然の取っ組み合い
格子越しにしばらく対面し落ち着いたころ、ショウボウがいる運動場にシロウを出しました。するといきなりショウボウはシロウにとびかかり、一瞬取っ組み合いになりました。シロウは耳をかじられ皮が少し剥けていました。ショウボウは鉄パイプの角にぶつけた後頭部が真っ赤になりました。幸いどちらにも犬歯傷はありませんでした。
ペニスを見せるのは和平のしるし(左シロウ)
その後ショウボウは、興奮した面持ちでうろうろ歩き回っていましたが、シロウはショウボウの攻撃を全く気にする様子を見せず、ショウボウの前に回り、うなずき、歯を見せ、勃起したペニスを見せ、手で呼び寄せ続けました。言葉に置き換えれば、「僕は敵じゃないからおいで、仲良くしようよ」という意味です。
ついに座り込みごめんなさい(右ショウボウ)
ショウボウはやはりシロウが怖かったのでしょう。シロウを避け歩き回っていましたが、シロウは諦めず、しつこく、しつこくショウボウを宥め続けました。そしてついに、ショウボウは座り込み口を大きく開けて歯を見せました。ショウボウの降参です。
ヒシと抱き合う二人
この瞬間を待っていました。説明は不要でしょう。
一旦顔を見合わせ(左写真), 再度抱き合う(中央写真), グルーミングで友達宣言(右写真)
できれば、新入りのショウボウからシロウにグルーミングしてほしかったのですが、その辺の社会経験がショウボウにはまだ足りません。ショウボウにとっては、おそらく29年ぶりのグルーミングだったでしょう。
ジョージ(左)と気が合うショウボウ(中央)
二人が落ち着いたころ、さらにジョージを加えました。ジョージは、絶対他者には危害を加えない平和主義者で、初対面でも相手を緊張させない特異なキャラクターを持っています。群れ作りでは、もめごとを起こさない安牌です。驚いたことに、ショウボウとは気が合ったようで、すぐに遊び始めました。上の歯を見せず口を開けるのがチンパンジーの笑い顔です。
笑いながら叩き合い
あはは、と笑いながらお互いをポカポカ叩き合う、変な二人です。
似た者同士?
口の締りの無さやトンチンカンな行動など、この二人には共通点が多いようです。今後同居数を増やしていく時に、ショウボウにはかばってくれる仲間が必要です。ジョージは一番の親友になってくれるかもしれません。
今回の群れ作りでは、いきなり取っ組み合いをさせてしまいました。事前に考えたほどショウボウは平和主義者ではありませんでした。最終的にうまく収まってくれたのは一重にシロウのお陰です。

当面はこのショウボウ、シロウ、ジョージの同居を続けます。
神経質なムサシには、格子越しに彼らの行動を見学させて、恐怖心が薄れるのを待つ予定です。
(文:鵜殿俊史)
2012.06.19 Day 36 6月19日のムサシ、ショウボウ、キャンディー
ショウボウは、先日のシロウたちとの同居以来、夕方の1時間だけ同じ組み合わせで同居訓練を続けています。
一旦は抱き合ったり遊んだりしたものの、ショウボウには警戒心が残っているのか、遊び方が判らないのか、シロウとジョージとは余り接触したがりません。シロウたちが熱心に1時間働きかけ続けて、一回だけグルーミングがあるという感じです。それ以外は距離を取って歩き回っています。
見ていてじれったいのですが、焦らずゆっくり慣れて行ってくれれば良いと考えています。
群れ作り以外の時間、ムサシとショウボウは屋内で同居しています。これも距離を取ったままですが、お互いにそばに居ることには慣れてきています。もめ事は減り、遊ぶそぶり(顔を突き合わせ足をトントン踏みならす)も時々見られます。
キャンディー-は、昨日から格子越しにオスのブラックとお見合いを始めています。初めはしきりにパント(ハッハッと息を吐く様な挨拶)して友好的な雰囲気でしたが、後ではブラックに唾を吐きかけていました。なかなかのお転婆ですね。
今日改めて、3人の写真を1ヶ月前と見比べましたが、ムサシ、ショウボウは少し肉付きが良くなったようです。お腹も出てきました。キャンディーは少し黒くなった気がします。シェイプアップの効果は出ているでしょうか?
(文:鵜殿俊史)
ムサシとショウボウ(06/18)
キャンディー(06/19)
ショウボウがジョージとぐるぐる回り(06/19)
ショウボウがシロウとグルーミング(06/19)
2012.06.28 Day 45 ムサシとジョージが同居しました
今日、ムサシとジョージを同居させました。
このところ雨続きで、群れ作りも思うように進められませんでした。
ムサシとショウボウは、毎日屋内で同居していますが、相変わらず喧嘩を繰り返しています。餌を取られたと思い込んだり、調子に乗って投げたポリタンクが相手に当たったりと、原因は様々ですが、いつも決まって怒ったムサシが泣きながらショウボウを追いかけ、逆に背中を咬まれて負けるというパターンです。
そんなムサシなので、「超」がつくほど平和主義のジョージしか相手は出来ないだろうと判断し、格子越しのお見合いの後運動場で同居に踏み切りました。
泣きながらジョージを追うムサシ
予想通り、ムサシはいきなりジョージを泣きながら追いかけ始めました。ジョージは驚き逃げながら泣き声を上げます。まるで子供の喧嘩です。チンパンジーのオスの闘争を見ると私たちでも青ざめるものですが、彼らの喧嘩にはつい笑ってしまいました。
息が上がり疲れ果てたムサシ
3分ほど追いかけると、息が上がり疲れ果てて座り込みます。
またジョージを追うムサシ
しばらく休憩し、体力が回復したらまた泣きながら追いかけ始めます。体力に勝るジョージは、徐々に余裕が出てきたようです。
そんな追いかけ合いを4~5回繰り返した時、ついに温和なジョージも怒りました。
怒ったジョージに組み伏せられるムサシ
ジョージが、追ってきたムサシを組み伏せ、背中に強く歯を当てました。「もう許さん!」と怒ったジョージは逃げ出したムサシにずんずん迫っていきました。
迫るジョージについに降参のパント
何度かジョージにお仕置きされたムサシが、ついに歯を見せ「ハッハッ」とあえぐような息を吐きました。パントと呼ばれるチンパンジーの挨拶で、降参の意思表示です。
アハハと笑いレスリング
ジョージもこの瞬間を待っていたのでしょう。雰囲気は一転し、すぐにもつれ合ってレスリングを始めました。「ガハハハ」という笑い声が聞こえます。
ムサシの笑顔(ちょっと引きつっている?)
やっと撮れたムサシの笑い顔ですが、ちょっと引きつっているように見えます。楽しさ半分、怖さも少しあるかもしれません。
擦りむき傷だらけのムサシ
(お尻の傷はショウボウによるものです。)最初から遊んでくれればいいのに、とつい思ってしまいます。ムサシも今日は疲れたことでしょう。
やっとムサシが遊んでくれました。しばらくはジョージとの同居を繰り返し、友情を深めてもらおうと思います。今日の様子なら、ムサシ、ショウボウ、ジョージの同居は早い時期に実現できるかもしれません。
(文:鵜殿俊史)
2012.07.02 Day 49 キャンディーが、ブラック・サクラと格子越しにお見合いをしました
キャンディーは、運動場へもだいぶ馴れ、高い位置のベッドへも登れるようになってきました。そこで、通路を隔てた居室でブラック、サクラ、チコとの見合いを行い、馴れたところで、ブラック、サクラとの格子越しの見合いを実施しました。ブラックの差し出した指をキャンディーが軽く噛んだり(左写真)、サクラの性皮や頭をキャンディーが触ったりと(右写真)、良好な関係です。
関係が良好なので、7/3にキャンディーとブラックの運動場での同居を行う予定です。ブラック、キャンディーの関係が良ければ、これにサクラを加える予定にしています。
(文:寺本研)
キャンディーとブラック(06/21)
キャンディーとサクラ(06/29)
2012.07.03 Day 50 キャンディーの群れ作りとムサシ、シロウの同居
今日、キャンディーとブラックを同居させました。ブラックは長い間メスの群れを統率してきたリーダーで、私たちが全幅の信頼を置いている、41歳の老紳士です。

ちょうど雲が途切れ、久しぶりの太陽が顔を覗かせたとき、キャンディーが待つ運動場にブラックを出しました。直後にキャンディーはブラックに抱きつき、それっきり離れなくなってしまいました。手をつないで歩いたり、並んでサトウキビをほおばったり。極めつけは、熱い抱擁とキス。まるで恋人同士でした。
これがキャンディーの初恋なのかもしれませんね。胸が熱くなりました。
寄り添ってサトウキビをほおばる
幸せそうなキャンディー
熱い抱擁
一方、ムサシの群れ作りも進めました。まずムサシとジョージを運動場に出し、そこにシロウを加えました。 
ムサシはシロウと直接会うのが初めてです。シロウを怖がったムサシはジョージに助けを求め、ジョージはムサシにキスをしました。これでジョージが味方をしてくれると思ったムサシは、シロウに突進し、攻撃を仕掛けました。柱の影で見えなかったのですが、少し叩いたようです。

すると、この行動を見たジョージが怒り、ムサシをすごい剣幕で追いかけ始めました。もともとジョージとシロウは仲間です。ジョージが怒るのも当然です。

このジョージの怒りには伏線がありました。シロウが出てくる前に、ムサシは運動場に置かれたバナナやパイナップルを独り占めしようと、ジョージを脅し追い払っていました。ジョージは怯んでいたのですが、シロウの登場で味方を得たジョージは、怒りを爆発させました。
ジョージにさんざん追いまくられ、ムサシはギャーギャー泣きながら、天井の角まで追い詰められてしまいました。やっとそこでシロウが二人の間に入り、ムサシを宥めてくれました。怯えきっていたムサシは、シロウに何度も抱きつき、助けを求めました。これでなんとかムサシの友達が一人増えました。
今日もシロウに助けられました。ムサシはジョージのことがすっかり恐ろしくなったようで、その後近づこうとはしませんでした。明日からは、ムサシとジョージの関係修復が課題になります。
おいしい果物は、置いておかない方が良さそうですね。
(文:鵜殿俊史)
ジョージに助けを求めるムサシ、手前がシロウ
シロウを攻撃するムサシ
追い詰められたムサシ
ムサシを宥めに行くシロウ
シロウに抱きつくムサシ
2012.07.04 Day 51 今日のキャンディーとムサシ
今日もキャンディーとブラックを同居させました。今日もラブラブでした。手をつないで歩き、長い時間グルーミングをしていました。
私がブラックに触れると、「ダメ!」とキャンディーに叱られました。ヤキモチを焼いたようです。
ここに他のメスを同居させたらどうなるか、少し心配になってきました。
ムサシは昨日ジョージとの関係が悪くなったので、今日はその二人で暫く過ごして貰いました。ムサシはジョージを恐れ、近づこうとしませんでした。
しかし、格子越しにシロウの姿が見えると、今度はジョージに助けを求めました。シロウよりジョージがマシだったのでしょうか。これで機嫌を直したジョージは、またいつものようにグフフと笑いながらムサシとレスリングをして遊びました。
ムサシは、その後合流したシロウとも少し遊び、今日は平和に群れ作りを終えることが出来ました。

ここ数日は、ムサシの弱虫ぶりが目立っていますが、これが続くとは限りません。相手が弱いとみたら、態度を急変させるのがチンパンジーですから。
(文:鵜殿俊史)
手をつないで歩く二人
ムサシに抱きつくジョージ
2012.07.04 - 05 Day 51-52 今日のキャンディー
7/3に同居したブラックとキャンディーですが、7/4、7/5に同居を行いました。7/4は、手をつないでの移動やグルーミングが見られ、楽しくてしょうがないブラックのレスリングが激しくなりキャンディーを泣かす場面もありましたが、熱い抱擁ですぐに和解しました。7/5は、グルーミングの後、別々の場所で過ごすなど、早くも熱烈さはなくなりつつあります。

ブラックとの同居と並行して、サクラとの格子越しの見合いも2回行い、良好な感でした。サクラとの同居を進めるために、7/5に3回目のキャンディーとサクラの格子越しの見合いを行いました。格子越しになった途端に、友好的なサクラに対してキャンディーが攻撃を始め、それ以降はサクラが格子に近づかなくなってしましました。思った以上にキャンディーが気が強く、攻撃を受けた場合に打たれ弱いサクラが運動場へ出なくなることが懸念されるため、先にチコとの同居を進めることにしました。

7/6にチコとキャンディーの格子越しの見合いを行いました。格子越しにばたばたやりあったりしていましたが、友好的な行動も観察され、しばらくは見合いを続行していく予定です。
(文:寺本研)
手をつないで(07/04)
2012.07.10 Day 57 キャンディーのその後
さて、キャンディーはブラックと二人っきりでラブラブの生活を送っていましたが、更にメスを加えることになりました。2頭では群れとは言えず、キャンディーには最終的にすべてのメスと仲良くなって貰わなければなりません。
最初のメスに選ばれたのは22歳のメスのチコです。チコは人工哺育個体なのですが、結構世渡り上手で、目上のチンパンジーには挨拶が出来る個体です。
格子越しにキャンディーとお見合いを繰り返し、十分顔見知りになった後に、運動場で同居させました。
しかし、心配したとおりチコの登場は、キャンディーにとって面白くなかったようです。緊張した面持ちで暫くチコをちらちら見ていましたが(写真1)、 突然飛びかかり、チコの足を引っ張りました。危うく大げんかになるところでしたが、すかさずブラックが二人の間に割って入り(写真2)、 乱暴を働いたキャンディーを叩き叱りました。
それで余計怒ったキャンディーはチコを追いかけ回し(写真3)、再度ブラックが止めに入り、キャンディーをひっくり返しました(写真4)。
その仕打ちが許せなかったキャンディーは、今度はブラックをギャーギャー大声を上げながら追いかけ回しました。運動場を5~6周したころ、とうとうブラックが悲鳴を上げました。「オレが悪かった!」と謝ったようです。すぐにキャンディーとブラックは抱き合い、あっけないほどすぐに仲直りしました。
キャンディーも体力が限界だったようです。すぐに地面にひっくり返り、ハーハーと荒い息を繰り返していました。(写真5)
その後キャンディーとチコは、お互いを無視し合っていました。仲直りはまた次の機会ということになりそうです。
キャンディーにとって、チコは当然邪魔者です。しかし複数の雄と雌が同居するのがチンパンジーの自然な社会です。喧嘩を繰り返しながら、群れの中の自分の位置づけを知っていくんでしょうね。
(文:鵜殿俊史)
写真1:無愛想なチコ(右)に戸惑うキャンディー(左)
写真2:間に割って入るブラック(背中)、手前がチコ
写真3:チコ(手前)を追いかけ回すキャンディー(奥)
写真4:ブラックにひっくり返されるキャンディー
写真5:息が上がり倒れ込んだキャンディー
2012.07.17 Day 64 ムサシの便から大腸バランチジウムが検出されました
暫く近況をお知らせできませんでしたが、実はムサシの便から大腸バランチジウムが検出され、その対応に追われていました。大腸バランチジウムは病原性も弱く感染力も弱いので、臨床上問題にされることは少ないのですが、熊本サンクチュアリでは28年前に根絶に成功しており、今更持ち込みたくない寄生虫でした。そのために移動前に3頭の糞便を頂き、検査を行ったほどでした。
いないと思っていたバランチジウムが検出され、ムサシはその日(7月11日)から屋内での一人暮らしをさせています。ショウボウもキャンディーも、また彼らと接触歴がある個体も同時に糞便検査を繰り返しましたが、幸いすべて陰性でした。ムサシには投薬を行い、今のところバランチジウムは消えていますが、もうしばらくは観察を続けるつもりです。
  突然ひとりぼっちになったムサシですが、むしろ表情が明るくなり、元気になりました。こちらに来て以来、緊張の連続で疲れていたのかもしれません。
(文:鵜殿俊史)
2012.07.18-19 Day 65-66 今日のキャンディー
ムサシの便から大腸バランチジウムが検出され一時中断していた同居を、7/18より再開しました。
同居をする際に扉を開けすぎて、チコが早く出てしまい、突然出てきたチコとキャンディーが喧嘩をしましたが、ブラックが仲裁して落ち着きました。その後、お互いにお尻のチェックをしたり、後ろをついて歩いたりして、良好な関係でした。
次の日7/19は、前日よりも良好な関係で、キャンディーにチコとブラックがグルーミングをしたりしていました。
(文:寺本研)
キャンディー&チコお久しぶりです!(7/18)
キャンディー&ブラックの遊び(7/19)
キャンディーへのチコ、ブラックのグルーミング(7/19)
2012.07.20, 22 Day 67 & 69 今日のキャンディー
7/20、ブラックとキャンディーの交渉はあるものの、チコとキャンディーの接触は見られなくなりました。
7/22、格子越しのお見合いで、キャンディーはのぞきに行っていましたが、チコはまったく無視で人の方ばかりを見ていました。同居させると、すぐにチコとキャンディーの喧嘩が始まりました。ブラックが仲裁しましたが、チコの性皮が大きくなっていたので、チコよりの仲裁になっていました。しばらくして、チコの胸にキャンディーが顔を近づけ和解しました。次の日7/23は、前日の喧嘩で懲りたのか、キャンディーがチコに近づくこともなくなりました。
(文:寺本研)
キャンディーへのグルーミング(7/20)
2012.07.25 Day 72 今日のキャンディー
サクラの性皮が大きくなり、サクラの気分ものりのりになってきたので、キャンディー、ブラックとの同居を行いました。格子越しの見合いは、お互いに触りあったりして良好な関係でしたので、ブラック、サクラを運動場に出し、これにキャンディーを加えました。熱烈な交渉は見られませんでしたが、行進したり、軽く抱き合ったりして良好な関係でした。
今後は、チコ、サクラを交互にキャンディー、ブラックと同居させ、様子がよければ来週にはキャンディー、ブラック、チコ、サクラで同居させる予定です。

(文:寺本研)
キャンディー&サクラ&ブラック(7/25)
キャンディー&サクラ&ブラック行進(7/25)
キャンディー&サクラ(7/25)
2012.07.29-31 Day 76-78 今日のキャンディー
熊本サンクチュアリに転入以来、性皮の腫脹が止まっていたキャンディーの性皮が腫れ始めました。7/29のブラックとの同居時に、ブラックの誘いにキャンディーがプレゼンティングで応え、その後に交尾とスムーズに行うことができました。長い隔離があったにもかかわらず、一連の行動がスムーズに取れたことは驚きです。
7/30にキャンディー、ブラック、サクラ、チコの同居を行いました。サクラは順調に同居できましたが、次に出てきたチコがキャンディーを無視したためか、キャンディーがチコに攻撃を加え、騒ぎとなりました。この日は、和解までいかず、みんなばらばらで過ごしました。
翌日の7/31は、順調に同居でき、少しですがキャンディーとサクラ、チコの接触も見られました。

今後は、キャンディー、ブラック、サクラ、チコの同居を続けながら、次のニコとの見合いを進めていきます。
(文:寺本研)
キャンディー、ブラック、サクラ、チコ闘争(7/30)
キャンディー、ブラック交尾-誘い(7/30)
キャンディー、ブラック交尾-プレゼンティング(7/30)
キャンディー、ブラック交尾-交尾(7/30)
キャンディー、ブラック交尾(7/30)
キャンディー・ブラック・サクラ・チコ(7/31)
2012.08.01 Day 79 ムサシの復活
ムサシのバランチジウム騒動から少し間が空いてしまいましたが、特効薬のおかげでバランチジウムはすっかりいなくなり、群れ作りを再開させました。8月1日のムサシとシロウの再同居の様子をお知らせします。
これまでもムサシは、緊張感から同居相手を追いかけ回し、叱られて泣く、ということを繰り返してきましたが、またやってしまいました。
穏やかにシロウと挨拶が出来たのは一瞬で、すぐにシロウを追いかけ始めました。初めこそ少し笑い顔をしていましたが、徐々に真顔になり、やがて悲鳴を上げながら走り出しました。シロウも初め少し焦ったようですが、やがて反転し、追いかけてきたムサシの腕に噛み付きました。前歯なので歯形が付いただけなのですが、ムサシの気勢を削ぐには十分でした。 
これで揉め事は収まり、気まずい空気が暫く流れましたが、今回もシロウがムサシに歩み寄り、宥めてくれました。抱き合って和解して、早速遊び始めました。

これまでのムサシなら、顔を少し引きつらせながら恐る恐る遊んでいましたが、今回はよほど嬉しかったのか、シロウの手を引っ張ったり、シロウのお腹や背中をポンポン叩いたり、調子に乗ってシロウが食べようとしたサトウキビをもぎ取ったりもしました。シロウも笑い顔で、怒ることもなくムサシに付き合っていました。
ムサシの本当の楽しそうな笑顔をやっと見ることが出来ました。これでやっとムサシも、サンクチュアリに来て良かったと思ってくれたことでしょう。
一方のショウボウは、ムサシの入院中もシロウ、ジョージとの同居訓練を続け、今ではごく自然に暮らしています。とはいうものの、ショウボウの無表情でマイペースなのは、相変わらずです。
(文:鵜殿俊史)
ムキになってシロウを追うムサシ
抱き合って仲直り
シロウの手を引っ張る
シロウとレスリング
シロウのサトウキビを取り上げる
シロウをひっぱたく
ショウボウとシロウ(7/23)
2012.08.07 Day 85 続・ムサシの復活
ムサシは、シロウとの同居練習で平和に過ごせるようになったので、8月7日、ジョージを加えることにしました。
ムサシとジョージは、以前仲良く遊んだことがあり、すでに顔見知りになっていたはずです。しかし、ムサシにはそんな常識が通用しませんでした。
ジョージが登場した途端、血相を変えました。一旦はシロウがムサシを宥めたのですが、ムサシは治まらずいつものように悲鳴を上げながらジョージを追いかけ始めました。
しかし、その時のムサシはいつもとは違っていました。追いかけながら何度もシロウの顔を確認し、シロウに抱きつきました。これは、シロウに攻撃の許可を貰い、同時に同盟を結ぼうとする行動です。まずいことに、シロウはこれを受け入れ、ムサシと抱き合いました。その結果、ムサシにシロウが加勢し、二人がかりでジョージを追いかけ回し、最後はシロウがジョージに噛み付きました。
かわいそうなジョージは、何も悪いことをしていないのに、足の指の爪が剥がれてしまいました。
騒ぎが収まり静かになった後で、ジョージはシロウとムサシのそれぞれに、機嫌を取るように挨拶に行きました。

このような理不尽な喧嘩はチンパンジーでは良くあることです。シロウがジョージを攻撃する理由は、「ムサシと同盟を結んだから」、以外にはありません。
ムサシは、以前ジョージにやっつけられたことを根に持っていたのかもしれません。その時は表面上仲良くしましたが、シロウを使って恨みを晴らしたのでしょう。
これこそまさにチンパンジーの社会です。ムサシのチンパンジーらしさが見えた日でした。そして、ムサシが初めて喧嘩に勝った日でした。
(文:鵜殿俊史)
シロウ(右)に挨拶するムサシ(左)
抱き合って仲直り
ムサシを宥めるシロウ
ムサシが振り返りシロウに援助を求める
右から逃げるジョージ、追うシロウ、ムサシ
ムサシに挨拶するジョージ
2012.08.23-24 Day 101-102 キャンディーとオウム
キャンディーの仲間をさらにふやすため、これまでのブラック・サクラ・チコに加えて、新たにニコ・ハルナ・オウムとも顔合わせをすることにしました。 格子越しにキャンディーとメスたちのお見合いを繰り返していますが、なかなかすんなりとはいかないようです。 ニコはキャンディーに友好的な行動をほとんど示さず、ハルナ・オウムとキャンディーとの間は良い時もあれば悪い時もあるという感じでした。

ともあれ、オウムが36歳で体が小さく前歯がほとんどないメスであることから、 もしオウムとキャンディーが喧嘩になっても大きな怪我にはならないだろうと判断し、 8月23日にブラック・キャンディー・サクラ・オウムで同居をさせることにしました。

キャンディーとオウムを同じ運動場に出した途端、オウムはキャンディーを追いかけ始めました。 オウムが落ち着いた後に、キャンディーは怖がりながらも、数回、挨拶しながらオウムに近づき、お尻をオウムに向けました、 それで二頭は仲直りをしました。

この後、さらにブラック・サクラも合流して、4個体で同居しました。 ブラック・サクラを合流した時に争いがありましたが、これでキャンディーの仲間がまたひとり増えました。

翌日からは、前日の4個体にさらにチコを加え、5個体での同居がはじまりました。 サクラ、チコは、人が育てたこともあり、他のチンパンジーのことをあまり気にしませんが、野生由来でおばさんのニコ、ハルナ、オウムはそういうわけにはいかないようです。同居から1週間が経ちましたが、まだオウムは完全にキャンデイを受け入れてないようです。暫くは、この群れを安定させながら、キャンディーがもっと機敏に動けるようにリハビリを進めていきます。 (文:寺本研)
8/23オウムに追われるキャンディー
8/23挨拶に行くキャンディー
8/23キャンディーがお尻を見せて仲直り
8/23互いにお尻のチェック
8/23オウムについて歩くキャンディー
8/24後姿のチコを含めた5ショット
2012.09.06 Day 115 新しい運動場
施設内のチンパンジーが工事のため移動するのに伴って、9月6日にキャンディーも別の運動場へ移動しました。新しい運動場は、これまでの運動場の2倍程度の広さがあり、高さも2m程高くなっています。 新しい運動場へ出てくれるかと心配しましたが、移動したその日からすぐに運動場へ出て、7mのフェンスも気にすることなく登っていきました。

また、キャンディーの新しい運動場からは、隣りの運動場にいるホープを筆頭とした8個体の群れと、さらに向こうの運動場にいるコナンを筆頭とした5個体の群れの、合計13個体が見えるようになりました。 つまり、同じ運動場にいるブラックたち他の4個体を加えると、キャンディーの周りには17個体のチンパンジーがいる環境となりました。多くのチンパンジーの存在に、キャンディーが怖がるかと思いましたが、キャンディーはあまり驚いた様子はありませんでした。
(文:寺本研)
09/07 新しい運動場
09/07 隣を眺めるキャンディー
2012.10.09 Day 148 キャンディーとオウム
運動場を移動して新しい環境になった後もよそよそしかったキャンディーとオウムの関係が、10月に入ると急に変化しました。キャンディーが室内に入るのをオウムが待っていたり、キャンディー、オウムで抱き合ったりするようになりました。
やっと、オウムもキャンディーを受け入れてくれたようです。
(文:寺本研)
10/06 チコとグルーミング
10/06 オウム、チコとともに
2012.10.11 Day 150 初めてのタワー
そろそろキャンディーが周りのチンパンジーたちに馴染んできたので、今日は15mのタワーがある運動場へとデビューさせてみることにしました。 初日の今日は、何か事故があるといけないので、キャンディー単独でのデビューです。

キャンデイは開いた扉を通って恐る恐る運動場へと出ました。 後ろの扉が閉まると、あわてたようで、上の方に逃げるそぶりをみせました。 扉を閉めるのが少し早すぎたかもしれません。やはり怖くなると上に逃げたくなるようです。

その後、落ち着きを取り戻して、タワーの10m付近までゆっくりと登りました。 これより上は、あまりつかまるところがないので、キャンディーがこれ以上は昇らなくて幸いでした。

この運動場には、運動場内を流れる水路と、それにつながった池があります。
今日は、タワーに加えてこの池にもデビューしました。

最初は、池に顔を近づけて水を飲んだりしていました。
そして、対岸に手を着いてしばらく思案したのちに、用心しつつも意を決したように勢いをつけて流れを渡って行きました。
水の中にじゃぶっと入ったチンパンジーも、過去、熊本サンクチュアリにはいましたが、水の中に落ちると危ないということがキャンデイには分かっているようです。
小さい時の記憶なんでしょうか。
(文:寺本研)
10/11 タワーデビュー
10/11 水を飲むキャンディー
10/11 池を渡るキャンディー その1
10/11 池を渡るキャンディー その2
2012.10.20 Day 159 ハロウィンパーティ
今日は、熊本サンクチュアリで少し早目のハロウィンパーティが行われました。
キャンディーもハロウィンパーティに初めて参加しました。いつもと違ったごちそうが並び他のチンパンジーも参加するなかで、ちゃんと食べれるか心配していましたが、一番に出たキャンデイは梨とリンゴをキープして、離れたところで食べていました。 他のメンバーによる食べ物をめぐっての騒ぎが終わった後で、再び食べ物のところに近づき、 ちゃっかりとみんなと一緒にミカンを食べていました。
心配はいらないようです。

そろそろ、熊本でも気温が下がってきました。
キャンディーたちにとって、熊本サンクチュアリで過ごす初めての冬がやってきます。
寒さに気を付けて過ごさせていきたいと思っています。
(文:寺本研)
10/20 ハロウィンパーティー
10/20 ハロウィンパーティー
10/20 ハロウィンパーティー
2012.11.08 Day 178 連結ケージにデビュー
連結ケージにキャンディーがデビューしました。扉が開くとすぐにブラックに続いて連結ケージに入り、途中からは先頭になって目標の中間点まで行くことができました。この物怖じしないキャンディーも、帰りの急坂はさすがに怖いようで慎重に降りて行きました。 (文:寺本研)
11/08 連結ケージデビュー: 行きはよいよい
11/08 連結ケージデビュー: 先頭
11/08 連結ケージデビュー: 帰りは恐い
2012.11.16 Day 186 誕生日おめでとう
キャンディーのKSに来て初めての誕生会を行いました。以前みんなで食事した時は、食べ物を取って離れたところで食べていましたが、今回は主役なのが分かったのか(?)他の個体が出てきても中央で堂々と食べていました。玄米はお気に召さなかったようですが、みんなでケーキを食べてしまいました。30歳、おめでとう。 (文:寺本研)
11/16 誕生会: おめでとう
11/16 誕生会: 玄米はきらい
11/16 誕生会: 主役です
">2012.11.27 Day 197
群れの状態が安定してきたので、これまで夜間だけは違う部屋で寝ていたキャンディーもみんなと同じ部屋で寝るようになりました。離れた場所にいるのかと思ったら、寝る前も他の個体のそばに居ることが多いようです。 (文:寺本研)
11/16 誕生会: おめでとう
11/16 誕生会: 玄米はきらい
11/16 誕生会: 主役です
  • レポート
  • 2012年5月15日,京都大学野生動物研究センター熊本サンクチュアリに3人のチンパンジーがやってきました
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