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氷河の深い部分には,何百年も何千年も前に降った雪からできた氷が残されています.この氷の中にはその時代の空気や大気中の微粒子も含まれています。つまり、氷河の氷は過去の雪と大気の化石のようなものです。したがって、ドリルで氷河に深い穴を掘る氷河ボーリングによって,氷河の深い部分から掘り出された氷サンプル(アイスコア)から,我々は過去の環境情報を知ることができます.これまで,南極や北極で掘り出された何千メートルものアイスコアから過去20-30万年の気候変動があきらかになっています.アイスコアの分析は,従来おもに水の酸素同位体(気温),化学成分,他の放射性同位体など、物理・化学成分を対象に行なわれてきました.
しかし、我々の調査によって、アイスコアには藻類やバクテリアなどの雪氷微生物も含まれていることが明らかになってきました.これらの雪氷微生物の分析から,過去の環境情報を知ることも我々の研究テーマの一つです.
ヒマラヤや北極の氷河のアイスコアやピット(縦穴)の雪を顕微鏡で観察したところ,そのなかには藻類やバクテリアが含まれていることが確認できました.これらの藻類やバクテリアの種類,種構成,バイオマスは,新しい環境指標となる可能性があります.現在もヒマラヤ,北極のサンプルをくわしく分析中です.
ヒマラヤ,ヤラ氷河のピットの断面.
降り積もった雪が層構造を作っています.
深い部分ほど古い雪.
この氷河では一年に1mほどの雪が積もります.
ハンドオーガ(手動ドリル)を使って,アイスコアを掘り出します.
このときは,10mほどのコアを取りました.
このコアで10年前までさかのぼることが出来ます.
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