飼育下ハンドウイルカの休息行動と活動周期(the second season)

関口雄祐・幸島司郎 (東工大・生命理工)

小型鯨類の休息的行動に関する詳しい分析はまだ少ない。昨年の本学会では、飼育下でハンドウイルカが浮上休息・着底休息・遊泳休息の3種類の休息的行動を行い、活動には緩やかな日周性があることなどを発表した。
今回は、浮上休息とそれ以外の浮上行動との差異を明確にするための行動分析と活動周期の更に詳しい分析を行った。
その結果、浮上休息では、噴気孔周辺と背鰭の先端だけを水面上に出したまま静止状態を保つのに対して、活動的浮上行動ではメロン周辺から背鰭の根元に至る部分が水面上に露出されていることがわかった。 また活動周期に関しては、緩やかな日周性のほか、日中夜間を問わず休息的行動と活動的行動とが数分から数十分の単位で頻繁に切替る短い活動周期が繰り返されていることなどが明らかになってきた。


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