Published: April 14, 2024

日本における生息域内および生息域外保全のための野生動物の生殖細胞バイオバンク

The wildlife biobanking of germ cells for in situ and ex situ conservation in Japan

Mayako Fujihara, Miho Inoue-Murayama

藤原摩耶子, 村山美穂

Full Text

日本には多くの固有種が生息しており、その多くは絶滅の危機に瀕しています。生息地および飼育下の野生動物の生殖細胞を遺伝資源バンク(バイオバンク)として保存・蓄積することは、貴重な野生動物の保全に貢献できる可能性があります。

京都大学野生動物研究センターでは、生息域・生息域外での野生動物保全への貢献を目指し、国内の動物園水族館や環境省、関係者と協力しながら、野生下や飼育下で死亡した野生動物のメスの生殖細胞バンクを構築してきました。

本論文では、生殖細胞バンクの意義や海外での取り組みを解説しながら、日本国内および京都大学野生動物研究センターでの野生動物の生殖細胞バイオバンク取り組みを紹介します。

また、著者らが取り組んでいる環境総合研究推進費のプロジェクトについても紹介します。(http://web.cc.iwate-u.ac.jp/~takehito/erca_4-2101/https://www.omu.ac.jp/vet/las/erca/

本研究成果は、2024年4月14日に、国際学術誌「Theriogenology Wild」にオンライン掲載されました。

Article Information
Fujihara, M., & Inoue-Murayama, M.(2024)The wildlife biobanking of germ cells for in situ and ex situ conservation in Japan Theriogenology Wild , 4, 100086 10.1016/j.therwi.2024.100086