女子ワイルドライフ・サイエンティスト養成講座 第4回
動物園・水族館での仕事の話を聞いてみよう2!!!!
動物園や水族館で働きたい! そんな夢を持つ中学生、高校生がたくさんいます。
でも、どうやったらなれるんだろう。どんな勉強をすればいいんだろう。どれくらい大変な仕事なんだろう。。。
そんな質問や不安を、実際に動物園や水族館で働いている先輩女子たちに直接聞いてみませんか?
今年の6月におこなって、大好評だったこの講演会を、ふたたびおこないます。
ただし、お話をしてくれる人はすべて入れ替わっています。今回もバラエティ豊かな方たちに来ていただくことができました。
みなさん、さまざまな道を歩んで動物園・水族館で働くことになった人たちです。
6月の講演会に参加してくれた人も、また参加してみませんか? 前回とは違った新しい話が聞けますよ。お楽しみに。
保護者の皆様、学校の先生の方のご参加もお待ちしています。よかったら、子どもたちと一緒に聞いてみてください。
プログラム
13:00 企画説明
13:10 先輩女子によるミニトーク1
山野ひとみさん(京都水族館)「淡水魚研究者から水族館飼育スタッフになりました。」
13:40 先輩女子によるミニトーク2
安井早紀さん(京都大学野生動物研究センター)「タイの村で暮らすアジアゾウたち」
14:10 先輩女子によるミニトーク3
黒田恭子さん(京都市動物園)「動物飼育員 ~私が夢を叶えるまで~」
14:20 先輩に聞いてみよう(質問タイム)
15:00 先輩女子を囲んで話を聞こう
(野生動物研究センター大学院生のポスター展示とフリートーク)
16:00 まとめのセッション
16:30 閉会
淡水魚研究者から水族館飼育スタッフになりました。
山野ひとみさん(京都水族館 飼育員)
現在、私は京都水族館で淡水生物の飼育員として働いています。
飼育員になってまだ1年半しか経っていない新米です。
飼育員になるまでは、大学院で淡水魚の消化管の形と食性との関係について研究していました。
幼い頃から魚が好きで、大学の水産学科へ進学し、そこで淡水魚類の研究の面白さを知った私は迷わず大学院へ進みました。
大学院へ進んでからは学位を取ることに必死で、その先の就職については実はまったく考えていなかったのです。
まさか自分が水族館で働くことになるとは思ってもみませんでした。
飼育員の仕事について語るにはまだまだ経験不足ですが、今回の講座ではこれまで行なってきた研究のこと、
水族館へ就職したきっかけなど、今に至るまでの過程を含めてご紹介したいと思います。

お仕事の様子

展示水槽のアクリル掃除の様子

『京都水族館の里山教室』の様子

トークでは,水族館の飼育員の仕事の紹介をしてもらいました。
その後,魚が好きで大学から大学院まで魚(とくに淡水魚)の研究を続けて,
現在の仕事に就くまでを話してもらいました。
大学を出た後,大学院での6年間の研究生活を送った山野さん,
そのときの様々な経験が今に生きているそうです。
タイの村で暮らすアジアゾウたち
安井早紀さん(京都大学野生動物研究センター 大学院生)
ゾウは陸上最大の動物で、体の大きいオスだと体重が6トンにもなります。
私たちには聞こえない低周波という低い音を使って仲間同士でコミュニケーションを取ったり、長い鼻で何キロも先の
ものの臭いをかぎ分けることができます。
このように私たち人間とはかなり違った世界で生きているゾウ達ですが、実際にゾウを観察していると、ゾウによって性格も違ったり、怖いことがある
と仲良しのゾウに寄っていったり、人と同じだなぁと思うこともよくあります。
アジアの国々には、ゾウ使いと共に暮らし、仕事をするゾウたちがいます。
私は大学院で、日本や海外の動物園、さらにはタイで「ゾウの村」と呼ばれている村で、ゾウの研究をしてきました。
今回は、タイの村で暮らすアジアゾウの調査の様子を通して、ゾウってどんな動物なのか、人と生活しているゾウ
たちはどんな生活をしていて、どんな問題があるのか、などを写真や動画を使ってお話ししたいと思います。


タイのアジアゾウとゾウ使いたち

鼻で口を触りあってコミュニケーション

ゾウの研究をしたくて,大学院から野生動物研究センターに入り, 博士課程の3年間はタイのゾウ使いの村でフィールドワークをしていました。
そして,来年4月から京都市動物園の飼育員になることが内定しています。
トークでは,フィールドワークで経験したゾウのさまざまな姿を紹介してもらい ながら,タイの村でのフィールドワークの苦労などを話してくれました。
動物飼育員 ~私が夢を叶えるまで~
黒田恭子さん(京都市動物園 飼育員)
動物園の飼育員。それが私の小さいころからの夢でした。
今は京都市動物園で、カメ・トカゲなどの爬虫類とアジアゾウを担当しています。
夢が叶ったのです。
ですが、その道のりは決して簡単なものではありませんでした。
大学を卒業後、厳しい現実に悩みや迷い、不安を抱えながら
専門学校、動物病院、動物園の嘱託職員と何度も居場所を変え、
それでも少しづつ進んできました。
しかし、だからこそ得られた貴重な経験や素晴らしい人との出会いがあったのも事実です。
この色々な経験が今の私をつくり、京都市動物園との縁を結んでくれたのだと思いま
す。
今回の講演会では、私のお仕事と今までの経験についてお話したいと思います。
これからそれぞれの夢を目指す皆さんの参考にしていただければ幸いです。
どうぞお気軽にお越しください!


今年から,念願の飼育員として京都市動物園で働き始めました。
トークでは,動物園の飼育員の一日の仕事を紹介してくれた後, 黒田さんが今の仕事に就けるまでの経験を話してくれました。
大学を出た後,専門学校に入り直し,さらに動物病院での看護の仕事を した後,横浜の動物園の嘱託飼育員として教育普及や広報の仕事を経て, 京都市動物園の飼育員として就職しました。いろんな道をたどったけど, 無駄になったものはなにひとつない,すべてが今の仕事に生きているという 心のこもった話をしてくれました。
参加者の中でも,とくに保護者の方の心を打ったようで,話の後,フリートーク の時間も熱心に話を聞いているお母さんの姿が印象的でした。

そして,これからの仕事に生きていくだろうということでした。進行の私も, うんうんと頷きながら聞いていました。






3人のトークの後は,野生動物を研究するために世界各地に出向いている女性研究者たちが,自分たちの撮ってきた写真などを前に,研究対象の動物や,研究地の様子を話してくれました。中高生たちにとっては,日本で暮らす自分たちには想像もつかない世界で活躍する少し年上の先輩たちの話を熱心に聞いていました。
今回は,前回と比べて参加者が少なかったのが残念でした。
しかし,参加してくれた方々は,前回の講演会や実習に参加してくれて,
動物の研究や動物を相手の仕事に興味を持ち続けてくれている方たちもいました。
人数が少なかったこともあって,参加者全員が,直接いろんな先輩女子たちと話が
できて,参加してくれた人たちにとってはとても充実した時間だったと思います。
とても内容が濃かった会だっただけに,より多くの中高生やその保護者や先生方に
届けたかった,その残念さが残りました。
(文責: 田中正之 京都市動物園 生き物・学び・研究センター長 /京都大学野生動物研究センター 特任教授)
イベント概要
女子ワイルドライフ・サイエンティスト養成講座 第4回(第3回講演会)
動物園・水族館での仕事の話を聞いてみよう2!!!!!
日時: 2013年 12月 15日(日) 13:00-16:30
会場: 京都大学野生動物研究センター セミナー室
参加者:生徒8名,教員・保護者4名
お問い合わせ先
女子ワイルドライフ・サイエンティスト養成講座事務局
girls-wildlife@wrc.kyoto-u.ac.jp
講演者への質問も受け付けます。気軽にメールしてください。
*メールには、送信者のお名前と学年(または年齢)を必ず書いてください。


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