屋久島研究会2018-京都大学野生動物研究センター共同利用研究会

はじめに

 屋久島での研究成果を中心とした研究会を企画しました。屋久島で研究されていて、今年度で卒業-就職される方が、かなりおられます。 就職後には、なかなかお話を伺うのが難しくなってしまうため、修士論文などが一段落した後で、お話を聞く機会を設けたいと思います。また、修士論文の方だけでは、少し規模も小さいので、それ以外の方にもお話をいただくこととしました。
 また、コンピュータを使った、動物画像の自動認識の話もしていただくことになりました。

 屋久島に限らず、関心のある話題がありましたら、どなたでもご参加いただけます。途中での入退場も構いません。

お礼

ご参加ありがとうございました。28人の方にご参加いただきました(屋久島在住の方3名を含む)。研究分野は多岐に渡りましたが、みなさん、分かりやすくご発表いただき、長めに取った質疑応答でも、様々な解説をしていただき、屋久島の自然への理解を深めることができました。

参加される方はご連絡をお願いします

(研究会は終了しています)

会場がやや狭いので、ご参加いただける方は、できるだけ事前にご連絡ください。もし、参加人数が会場の座席数を上回りそうな場合は、追加の椅子の手配など必要です。ご協力をお願いします。

以下の情報を書いて、下記までお申し込みください。
・お名前(名札を作ります)
・ご所属(名札を作ります)
・連絡先 (電子メールなど)
・研究会に 参加・不参加
・懇親会に 参加・不参加

日時・場所

日時 2018年2月24日(土) 10:30-17:30
   研究会終了後 懇親会を行います
場所 キャンパスプラザ京都(京都駅前)・京都大学サテライト講習室(6階・第8講習室)
   キャンパスプラザ京都アクセス のページへ

主催・共催

主催 京都大学 野生動物研究センター
共催 京都大学 霊長類学・ワイルドライフサイエンス・リーディング大学院

プログラム


10:30 ご挨拶

10:35-11:15 長野秀美1、福本繁2、高柳敦1 (1 京都大・農学研究科・森林科学専攻、2自営業)
シカが忌避するタヌキのため糞場  要旨へ

11:15-11:55 日下部力1、揚妻直樹2 (1北海道大・環境科学院、2北海道大・北方生物圏フ ィールド科学センター)
非発情期におけるニホンジカ(Cervus nippon)オスの社会関係  要旨へ

11:55-13:00 休憩

13:00-13:40 肥後悠馬、梶村恒、三浦光 (名古屋大・生命農学研究科・森林保護学 )
屋久島の亜熱帯から森林限界における野ネズミの垂直分布と生態適応  要旨へ

13:40-14:20 中村泉1、栗原洋介2、澤田晶子3、清野未恵子4、西栄美子1、半谷吾郎2 ( 1京都大・理学研究科、2京都大・霊長類研究所、3京都府立大・生命環境科学研究科、4神戸大・人間発達環境学研究科)
屋久島海岸域に生息するニホンザルにおける果実選択  要旨へ


14:35-15:15 向井真那1、相場慎一郎2、北山兼弘1 2  (1京都大・農学研究科、2鹿児島大・理工学研究科)
アカホヤ火山灰の堆積後7300年経過した屋久島森林生態系の土壌リン可給性  要旨へ

15:15-15:55 大和天1、横田久里子1、井上隆信1,手塚賢至2,手塚田津子2,永淵修3 (1豊橋技術科学大・工学研究科、2屋久島環境科学研究所、3福岡工業大学)
屋久島森林域における水銀蓄積量  要旨へ

16:10-16:50 三浦光、梶村恒 (名古屋大・生命農学研究科・森林保護学)
ニホンジカ背面画像を用いた自動個体識別アルゴリズムの開発  要旨へ

16:50-17:30 大谷洋介1、小川均 2 (1大阪大・COデザインセンター、2立命館大・情報理工学部)
ニホンザル顔認識システムとその応用可能性について  要旨へ

17:30-17:50 手塚賢至 他
屋久島低地照葉樹林における種多様性と保全、および西部地域の植生保全について  要旨へ

18:00~ 懇親会 こちら

昼食は、キャンパスプラザ1階の喫茶店や、会場周辺の飲食店でおとりください。会場で、お弁当を食べていただくこともできます(なお、お弁当は各自でご用意ください)。

要旨

プログラムに戻る

長野秀美1、福本繁2、高柳敦1 (1 京都大・農学研究科・森林科学専攻、2自営業)
シカが忌避するタヌキのため糞場

近年日本各地でシカの食害による森林の下層植生の劣化が問題となっている。京都大学芦生演習林でも、シカ可食植物の実生がほとんど育たず、地面が露出した状態になっている場所が増えている。ところが、タヌキのため糞場では、植物の実生が比較的多く生育している。タヌキのため糞場で、実生の種、数、サイズを測定した結果、それらの値がため糞場以外の場所と比べ有意に大きいことが明らかになった。この原因を明らかにするため、タヌキのため糞場にカメラトラップを設置したところ、シカがタヌキのため糞場に生える植物を食べずに忌避していることがわかった。これらの現象が、日本各地で起こっているのかを確かめるため、宮崎、屋久島のシカの採食による下層植生の衰退が著しい森林にもカメラトラップを設置した。その結果、宮崎、屋久島でもシカのため糞場に対する忌避行動が観察された。次に、シカが忌避行動を起こす至近要因を明らかにするため、日本に生息している11種の動物(食肉目6種、偶蹄目3種、ウサギ目1種、霊長目1種)とライオン(食肉目)、オオカミ(食肉目)の糞に対するシカの反応を奈良公園で観察した。その結果、シカの忌避行動は、食肉目と霊長目の動物の糞に対して強く起こっていることが明らかになった。また、それら13種の動物の糞の臭気成分を解析したところ、食肉目の糞は、互いに似た臭気成分組成であることがわかった。これらのことから、シカは、大型捕食者を含む食肉目の動物全般の糞の臭いを忌避する性質を有しているため、タヌキのため糞場も忌避している可能性が示唆された。


図1. シカの採食を免れ、タヌキのため糞場だけで繁茂する実生


図2. タヌキのため糞場に生える植物を見るシカ


図3. ため糞場で脱糞をするタヌキ


プログラムに戻る

日下部力1、揚妻直樹2 (1北海道大・環境科学院、2北海道大・北方生物圏フ ィールド科学センター)
非発情期におけるニホンジカ(Cervus nippon)オスの社会関係

シカ科の社会関係に関する研究は餌や交尾相手といった資源をめぐる攻撃的行動や、交尾行動に関連したものが多く、親和的な社会関係についての情報は限られている。特にオス同士の親和的行動に関する知見は乏しい。ニホンジカ (Cervus nippon) のオスについては、非発情期においてオスグループを形成するという報告がある程度である。しかし、その研究では個体を識別できていないため、そのオスグループが特定個体で構成される社会的集団(群れ)なのか、単なる一時的なオスの集まりだったのかは不明なままであった。そこで、本研究では野生ニホンジカについて、個体識別したオスの社会行動を観察し、オス間の親和的な社会関係を明らかにすることを目的とした。
 シカの行動の観察は屋久島西部の照葉樹林において非発情期である2017年5月21日から8月30日まで行った。オスの年齢クラスをAdult (推定7歳以上) 、Subadult (5, 6歳) 、 Juvenile (2-4歳) の3クラスに分け、個体識別可能なシカを各クラスから2頭ずつ選び追跡個体とした。なお、それら3クラス以外のシカは Adult メス (推定2歳以上) 、1歳 (オス・メス) 、0歳 (オス・メス) に分けた。追跡個体を8時~19時の間に1~9時間連続して観察し、5分毎に追跡個体の周囲30 m 以内にいる各性・年齢クラスの個体数(30m近接個体)を数えた。なお、識別個体がいた場合には、その個体名を記録した。さらに、追跡オスが関与した親和的行動については、随時、その内容と関係した個体の性・年齢クラスと識別個体につては個体名も記録した。
 追跡個体に30 m近接したシカののべ頭数は、メスよりオスが多かった。親和的行動の頻度は相手オスの年齢クラスにより異なり、相手が Adult の場合は Subadult や Juvenile の場合より低かった。さらに、6頭の追跡個体のうち4頭では相手個体によって親和的行動の頻度に差が見られた。これらの結果から、オスのニホンジカはメスよりもオスとより30m近接する傾向にあること、ただし、いつも同じメンバーと近接しているわけではないこと、相手の年齢クラスによって親和的行動の頻度を変えていることが解った。さらに他個体を識別し、個体によっても親和的行動頻度を変えていることが示唆された。ただし、親和的行動の頻度に違いを生じさせる要因については明らかになっておらず、より詳細な研究が必要だろう。




プログラムに戻る

肥後悠馬、梶村恒、三浦光 (名古屋大・生命農学研究科・森林保護学 )
屋久島の亜熱帯から森林限界における野ネズミの垂直分布と生態適応

 本研究は、屋久島の垂直的な植生構造に着目し、野ネズミ個体群の種構成や形態、繁殖期がそれらの生息地の標高によってどのように変化するのかを明らかにする目的で行った。調査地として、サイトA (約400 m、照葉樹林帯)、サイトB (約1000 m、針広混交林帯)、サイトC (約1800 m、ササ草原帯)、および各サイトの中間標高域にサブサイトとしてサイトD (約750 m、照葉樹林帯から針広混交林帯への移行帯)、サイトE(約1500 m、針広混交林帯からササ草原帯への移行帯)を設定した。
 2015年7-8月、10-11月および2016年5, 7, 9, 11月、2017年5, 7, 9, 11月に、各調査地において、シャーマントラップを設置し、ネズミを生け捕りした(2016年5月はサイトA, B, Dのみ)。捕獲されたネズミの種、性別、体重、全長、頭胴長、尾長、後足長、繁殖サインなどを記録し、指切り法で個体識別した後に放逐した。
 その結果、アカネズミApodemus speciosusとヒメネズミA. argenteusが確認され、調査地ごとに生息状況が大きく異なった。サイトAでは、アカネズミの割合が他のサイトに比べて多かったが、全体的にネズミの個体数が他の標高域に比べて著しく少なかった。これに対して、サイトBとサイトCでは、ヒメネズミが多く捕獲された。また、アカネズミは、高標高域では見られなかった。一方、サイトB, C間に設置したサイトEでは、アカネズミが確認された。従って、屋久島におけるアカネズミの生息域は森林内に限られるものと考えられる。これらの分布様式は各生息地の植生構造と密接に関わっていると考えられ、特にサイトCでは密生したササによってアカネズミの空間利用が大幅に制限される可能性が示唆された。また、植生だけでなく他種の動物との関係、あるいは気温などの物理的環境要因も影響しているかもしれない。 また、形態を比較したところ、ヒメネズミに差は見られなかったが、アカネズミの全長、頭胴長について、標高が高くなるにつれて小型化する傾向が見られた。この傾向は寒冷化に伴う餌資源量の低下あるいは密度依存的な反応ではないかと考えられた。
 各サイトの繁殖期について推定を行ったところ、サイトAでは冬1回繁殖、サイトBでは春秋2回繁殖、サイトCでは夏1回繁殖であると推測され、本州において緯度勾配に沿って見られる3つの繁殖パターンが屋久島内で共存している可能性が示唆された。この結果も標高による気温の差に起因するものと考えられた。








プログラムに戻る

中村泉1、栗原洋介2、澤田晶子3、清野未恵子4、西栄美子1、半谷吾郎2 ( 1京都大・理学研究科、2京都大・霊長類研究所、3京都府立大・生命環境科学研究科、4神戸大・人間発達環境学研究科)
屋久島海岸域に生息するニホンザルにおける果実選択

ニホンザルは若葉、成熟葉、花、果実、種子、昆虫、きのこなど様々なものを採食する。ニホンザルの採食食物の中でも果実は最も種類が豊富であり、季節変化はあるものの採食にかける時間が最も多い食物だが、果実選択について利用可能性や栄養成分まで考慮した研究はない。そこで本研究では果実の選択に関わる要因を明らかにすることを目的とした。本研究では果実選択として食べるか食べないか、採食時間の長さの違いの二つに焦点を当てた。 採食行動については行動観察より採食品目と採食時間割合を、果実についてはフェノロジー調査により利用可能性を測定した。また果実の形態、栄養(NDF、粗タンパク質、粗灰分、粗脂肪、フルクトース、グルコース)の分析を行なった。果実の利用可能性や、形態的特徴、栄養、それぞれが食物選択に影響をしているのかを明らかにするため、これらの果実のデータを説明変数とし、食べるか食べないかの選択については一般化線形モデルにより、採食時間の長さの違いを一般化線形混合モデルにより検討した。
 解析に用いた果実は合計で30種、そのうち採食が確認された果実は26種となった。
 本研究では食べるか食べないかの選択には果実のいずれの要因も影響していなかった。またニホンザルにおいては環境中にあるほぼ全ての種を食べることが明らかとなった。採食時間の長さの違いには、脂肪の量が影響しており、脂肪の含有量が多い果実ほどより長く採食時間をかけることが示された。脂肪はたんぱく質や炭水化物の2.25倍のエネルギーを含んでおり、脂肪を多く含む果実をより長い時間食べることで効率よくエネルギー摂取を実現していると考えられる。


(撮影 杉浦秀樹)


プログラムに戻る

向井真那1、相場慎一郎2、北山兼弘1 2  (1京都大・農学研究科、2鹿児島大・理工学研究科)
アカホヤ火山灰の堆積後7300年経過した屋久島森林生態系の土壌リン可給性

屋久島では標高傾度に沿って暖温帯常緑広葉樹林から冷温帯常緑針葉樹林に至る植生の垂直分布が見られる。花崗岩起源の土壌の上に森林が成立しているため、これまで屋久島の森林は貧栄養の特徴を持つとされてきた。しかし、屋久島では隣接する鬼界カルデラの7300年前の噴火の影響でアカホヤ火山灰が厚く堆積しており、当時の屋久島の植生は破壊的な影響を受けたと推測される。従って、現在の屋久島の植生は7300年間の土壌生成とともに気候(気温・降水量)の影響を受けて垂直的に分化、成立した結果であろう。このように、現在の屋久島の植生は火山灰の影響を強く受けているにも関わらず、生態学的な栄養循環の観点から屋久島の森林生態系への火山灰の影響を見た研究はほとんど存在しない。花崗岩よりも富栄養な火山灰に起源する土壌が形成されていれば、屋久島の森林の栄養動態もこれまでの指摘とは異なる可能性もあり、屋久島の森林生態系の成因について見直しを迫ることになる。そこで、本研究では、屋久島の森林の栄養動態における火山灰の影響を評価するため、特に火山灰由来のリン供給に関して、土壌のリン濃度と火山灰由来物質の二次鉱物(アロフェン)に着目した。リンは火山灰などの火山噴出物に多く含まれ、土壌生成とともに減少するという特徴を持つ。屋久島全体を評価するため標高170?1550m間の7つの極相林を森林調査区に設定した。各調査区から表層土壌(0?10cm)を採取しアロフェン濃度を調べた。Tiessen & Moir (1993)のリン連続抽出法に従い土壌リンを分画し、土壌の全リン濃度を求めた。各標高の森林から落葉の多い6・11月にリターを採集しリターのリン濃度を測定した。火山灰土壌に多く含まれる二次鉱物のアロフェンは全標高で出現した。その濃度は標高上昇とともに減少し、特に低標高の2つのサイトでは火山灰土壌の特徴を持つとされるアロフェン濃度の基準 (20 mg/g以上) を超えていた。これより、屋久島の土壌は火山灰の影響を強く受けていることが示された。火山灰の影響を反映して、全リン濃度は相対的に高かったが、標高の上昇とともに減少した。以上のことから、屋久島では、特に低標高で火山灰土壌としての特徴が広く見られ、火山灰堆積後の7300年間で標高傾度に伴う気候条件の影響を受けて火山灰起源のリンの濃度が標高傾度(温度)に沿って変化することが分かった。また、樹木が利用可能な形態のリン濃度は樹木のリン利用効率と有意な負の相関があった。樹木が利用可能な形態のリン濃度が低い高標高では、樹木はリン利用効率を上げて土壌のリンの可給性の低下に適応している可能性が示された。以上のように、屋久島では、7300年前に加入したアカホヤ火山灰が現在の森林生態系のリン循環に強い影響を与えていることが示された。






プログラムに戻る

大和天1、横田久里子1、井上隆信1,手塚賢至2,手塚田津子2,永淵修3 (1豊橋技術科学大・工学研究科、2屋久島環境科学研究所、3福岡工業大学)
屋久島森林域における水銀蓄積量

要旨(PDF 0.6 MB)









プログラムに戻る

三浦光、梶村恒 (名古屋大・生命農学研究科・森林保護学)
ニホンジカ背面画像を用いた自動個体識別アルゴリズムの開発

 近年、二ホンジカ個体密度の増大に伴い、日本各地でその採食行動による生態系および農・林産物への深刻な影響が報告され、二ホンジカに対する迅速な保護管理の必要性が叫ばれている。適切な保護管理を目指すにあたっては、対象地域における対象動物の生息状況を的確にモニタリングすることが重要となる。本研究では、省力かつ低コストな生息状況モニタリングとして、カメラトラップを用いたPMR (Photo-Mark-Recapture) による方法を想定し、二ホンジカ体表面の斑紋パターンを利用した個体識別アルゴリズムの開発を目指した。
 本アルゴリズムの開発にあたっては、俯瞰撮影法 (小金澤 2004) により撮影した二ホンジカ背面画像を用いた。任意の2画像間における類似性の定量的評価として、テンプレートマッチングによる特徴量抽出を行った。各特徴量を入力変数としたニューラルネットワークにより、モデル構築と判別分析を行った。
 本研究にて得られたベストモデルによる識別精度は99.57%であった。また、正規化画像の抽出を除き、本アルゴリズムはオペレータによる手動操作を一切要求しないため、高精度かつ省力的な生息状況モニタリング手法として高い有用性が期待された。





プログラムに戻る

大谷洋介1、小川均 2 (1大阪大・COデザインセンター、2立命館大・情報理工学部)
ニホンザル顔認識システムとその応用可能性について

 近年全国で社会課題となっている獣害問題に対しては「地域住民主体の対策」および「生態学的調査に基づいた地域に合わせた対策」が有効であるとされている。しかしこれには2点の問題が存在する。ひとつ目は地域住民の主体性を醸成する仕組みが不十分であること、ふたつ目は全ての地域で専門家が調査を行うことが困難であることである。
 本研究では住民自らが加害動物の調査、対策立案を行うことにより、上記2つの問題に同時にアプローチ可能であるとの発想に基づき、それを可能とする技術開発・仕組みの試験導入・効果検証を目指す。
 高齢者であっても調査に参加可能な手法として、深層学習によるニホンザル顔認識システムを開発し、自動撮影カメラと組み合わせた調査・対策実施・モニタリング・再計画というサイクルを住民主体で実施し、その過程における住民の意識変化を明らかにする。







プログラムに戻る

手塚賢至 他
屋久島低地照葉樹林における種多様性と保全、および西部地域の植生保全について

(1) 屋久島低地照葉樹林帯における植生保全研究(2015年〜2017年)
屋久島照葉樹林ネットワーク(廣田俊<東北大学大学院農学研究科>、布施健吾<九州大学決断科学センター>、手塚賢至<屋久島照葉樹林ネットワーク>、手塚田津子<同>、山下大明< 同>・斉藤俊浩<同>
(2) 屋久島西部地域に設置したシカ防除柵の8年間(2009年〜2017年)の植生報告
屋久島生物多様性協議会

今回の発表は(1)と(2)の調査をもとにして2月16日に行われた世界遺産科学委員会のヤクシカ・ワーキンググループにおいて発表したものです。屋久島の低地照葉樹林は絶滅危惧種植物や近年、ヤクノヒナホシなどの菌従属栄養植物を含む多くの新種や日本新産種が発見される種の多様性の宝庫とも言える貴重な森林です。しかし、現在その森林はごく断片的にしか残されておらず保全の対象と認識されないまま更に減少しています。こうした現状から、この森林の種多様性の基礎的な情報を得て保全へと結びつけるために「屋久島照葉樹林ネットワーク」では屋久島の低地照葉樹林の種多様性の解明を行う植生調査を開始しましました。屋久島全島10地域(10河川流域)22地点において行った5m×100mのベルトトランセクト調査の報告を行い、さらに(2)から西部地域の植生保護柵内外のモニタリング調査の結果を踏まえ西部地域の森林生態系保全についての報告も合わせて行ないます。



(特に断りのない場合、写真の著作権は発表者にあります。許可なく使用しないでください)