花村 俊吉 (研究員)

hanamura

霊長類の社会や相互行為についてのフィールドワークを通じて、人間(私)の社会観や行為観を再考する契機を得たいと考えています。これまで、京都市・嵐山モンキーパークいわたやまの餌場を利用するニホンザルの嵐山E群、タンザニア・キゴマ州・マハレ山塊国立公園に生息するチンパンジーのマハレM集団を対象に研究を続けてきました。彼ら/彼女らが、群れや集団といったまとまりを形成しつつも、単に集まっているだけではなく、離れていたり分散したり、群れや集団を移出入したりするという側面に関心があります。そうした離・散を内包した霊長類の社会空間や共在のあり方が、日々の個体間の相互行為を介して循環的・再帰的に生成するプロセスを主な研究テーマとしています。人間の社会的境界と言語をもたない動物の社会的境界の差異と連続性、人間と動物の関係性、動物やその社会についての表象がさまざまなメディアを通じて人間やその社会についての表象とともに創出・再生産される過程にも興味をもっています。

略歴

  • 2003年3月 愛媛大学理学部生物地球圏科学科 卒業
  • 2003年4月 京都大学大学院理学研究科生物科学専攻 修士課程入学
  • 2005年4月 京都大学大学院理学研究科生物科学専攻 博士課程進学
  • 2012年3月 京都大学大学院理学研究科生物科学専攻 博士課程単位取得退学
  • 2012年4月 京都大学野生動物研究センター 日本学術振興会特別研究員(PD)
  • 2015年4月 京都大学野生動物研究センター 研究員

執筆文章

  1. 花村俊吉 2015 サルと出遇い、その社会に巻き込まれる:観察という営みについての一考察. 木村大治編「動物と出会うT:出会いの相互行為」ナカニシヤ出版, 京都. pp: 87-104.
  2. 花村俊吉 2013 イルンビの森にゾウを追って パートD―精霊ンクングェとリカプアプアに見守られて. マハレ珍聞 21: 2-3.
  3. Nakazawa N, Hanamura S, Inoue E, Nakatsukasa M, Nakamura M 2013 A leopard ate a chimpanzee: first evidence from East Africa. Journal of Human Evolution, 65: 334-337.
  4. 花村俊吉 2013 見えない他者の声に耳を澄ませるとき:チンパンジーのプロセス志向的な慣習と制度の可能態. 河合香吏編「制度―人類社会の進化」京都大学学術出版会, 京都. pp: 167-194.
  5. Nakamura M, Corp N, Fujimoto M, Fujita S, Hanamura S, Hayaki H, Hosaka K, Huffman MA, Inaba A, Inoue E, Itoh N, Kutsukake N, Kiyono-Fuse M, Kooriyama T, Marchant LF, Matsumoto-Oda A, Matsusaka T, McGrew WC, Mitani JC, Nishie H, Norikoshi K, Sakamaki T, Shimada M, Turner LA, Wakibara JV, Zamma K 2013 Ranging behavior of Mahale chimpanzees: a 16 year study. Primates 54: 171-182.
  6. 花村俊吉 2012 イルンビの森にゾウを追って パートC―ムジェゲの知恵とゾウの呪い. マハレ珍聞 20: 3-4.
  7. 花村俊吉 2012 カトゥンビ村の小学校へ. マハレ珍聞 19: 4.
  8. 花村俊吉 2011 イルンビの森にゾウを追って パートB―とある夢とマトベ村でのひとやすみ. マハレ珍聞 18: 4-5.
  9. Hanamura S 2011 Two memories of Nishida-san in Tanzania. Pan African News 18 (special issue): 12.
  10. 花村俊吉 2011 イルンビの森にゾウを追って パートA―ンクングェを経て山塊東側のマヘンベ村へ. マハレ珍聞 17: 5-6.
  11. 花村俊吉 2011 観察会後記:サルたちの世界を覗く(嵐山のニホンザル観察会「自然教室」の報告記事). 京都科学読み物研究会会報 329: 9-12.
  12. 花村俊吉, 布施未恵子 2010 「他者」としての他個体と「社会的な複雑さ」:特集の趣旨説明. 霊長類研究 26: 121-129.
  13. 花村俊吉 2010 チンパンジーの長距離音声を介した行為接続のやり方と視界外に拡がる場の様態. 霊長類研究 26: 159-176.
  14. 花村俊吉 2010 行為の接続と場の様態との循環的プロセス(コメントに対する返答). 霊長類研究 26: 213-219.
  15. 花村俊吉 2010 偶有性にたゆたうチンパンジー:長距離音声を介した相互行為と共在のあり方. 木村大治, 中村美知夫, 高梨克也編「インタラクションの境界と接続―サル・人・会話研究から」昭和堂, 京都. pp: 185-204.
  16. 花村俊吉 2010 読解:「ずれ」を楽しむ夜中の相互行為. 木村大治, 中村美知夫, 高梨克也編「インタラクションの境界と接続―サル・人・会話研究から」昭和堂, 京都. pp: 227-228.
  17. 花村俊吉 2010 読解:食べることの楽しさと共食の経験. 木村大治, 中村美知夫, 高梨克也編「インタラクションの境界と接続―サル・人・会話研究から」昭和堂, 京都. pp: 356-357.
  18. 花村俊吉 2010 イルンビの森にゾウを追って パート@―ムトゥンダさんを偲んで. マハレ珍聞 16: 2-3.
  19. 花村俊吉 2009 社会の学としての霊長類学(第3回)―「他者」としての他個体と「社会的な複雑さ」(大会記事). 霊長類研究 25: 81-82.
  20. Hanamura S, Kiyono M, Lukasik-Braum M, Mlengeya T, Fujimoto M, Nakamura M, Nishida T 2008 Chimpanzee deaths at Mahale caused by a flu-like disease. Primates 49: 77-80.
  21. 花村俊吉 2008 移入メスと他個体のやりとりに着目したチンパンジーの「文化」研究へのアプローチ―マハレMグループのチンパンジーの「レモン食い」と「湖水飲み」. 西田利貞編「平成16年度〜平成19年度 日本学術振興会科学研究費補助金研究成果報告書 野生チンパンジーにおける新奇行動の展開と文化的行動の発達過程」pp: 303-307.
  22. 花村俊吉 2008 チンパンジーの聴覚的な出会いの生成・拡散と消失の過程―長距離音声・パントフートを介した相互行為とグルーピングとの関連(発表抄録). 生態人類学会ニュースレター 14: 7-9.
  23. Kaur T, Singh J, Tong SX, Humphrey C, Clevenger D, Tan W, Szekely B, Wang YH, Li Y, Muse EA, Kiyono M, Hanamura S, Inoue E, Nakamura M, Huffman MA, Jiang BM, Nishida T 2008 Descriptive epidemiology of fatal respiratory outbreaks and detection of a human-related metapneumovirus in wild chimpanzees (Pan troglodytes) at Mahale Mountains National Park, Western Tanzania. American Journal of Primatology 70: 755-765.
  24. Fujimoto M, Hanamura S 2008 Responses of wild chimpanzees (Pan troglodytes schweinfurthii) toward seismic aftershocks in the Mahale Mountains National Park, Tanzania. Primates 49: 73-76.
  25. 花村俊吉 2007 チンパンジーが他者を体験する時―離れていて見えない個体どうしの相互行為から(発表抄録). 生態人類学会ニュースレター 13: 25-29.
  26. 花村俊吉 2007 離れていて見えないチンパンジー(とヒト?)どうしのお付き合い. マハレ珍聞 10: 3.
  27. 花村俊吉 2007 夕闇に舞うインスワたちの下で. マハレ珍聞 9: 4.
  28. Hanamura S, Kiyono M, Nakamura M, Sakamaki T, Itoh N, Zamma K, Kitopeni R, Matumula M, Nishida T 2006 A new code of observation employed at Mahale: prevention against a flu-like disease. Pan African News 13: 13-16.
  29. 花村俊吉 2006 12頭の精霊. マハレ珍聞 8: 2-3.
  30. 花村俊吉 2006 地震との遭遇. マハレ珍聞 7: 1.
  31. 花村俊吉 2005 ニホンザル餌付け群におけるオスの空間的位置とメスとの社会関係(発表抄録). 生態人類学会ニュースレター 11: 23-24.
  32. 花村俊吉 2005 嵐山のニホンザルにおける近接・相互行為からみた雌雄個体間関係と雄の生活史. 霊長類研究所年報 35: 116.

学会発表等

  1. 花村俊吉 2015年2月(講演) 「霊長類の社会性・相互作用:嵐山モンキーパークのニホンザル」『最先端の科学者が語る講座:研究者が語る野生動物の生態(第3回)』宇治市生涯学習センター(京都).
  2. 花村俊吉 2014年7月(口頭) 「チンパンジーの長距離音声を介した相互行為と視覚を超えたゆるやかなまとまり」『第30回日本霊長類学会大会』大阪科学技術センター(大阪)[発表要旨: 霊長類研究 30 suppl: 34-35(A08).]
  3. 花村俊吉 2014年6月(口頭) 「チンパンジー社会における『他者』:不意に到来するよそ者の声,新入りメスと在住個体のふるまい方の違い」『AA研共同利用・共同研究課題:人類社会の進化史的基盤研究(3)―他者』東京外国語大学(東京).
  4. Hanamura S August 2013 (Oral) Immigration process of female chimpanzees at Mahale, Tanzania: reconsidering social relationships among females. International Seminar in JSPS Core-to-Core Program 2013: Current States and Problems of the Study for Wildlife Conservation, Kyoto University, Kyoto.
  5. 花村俊吉 2013年12月(口頭)「サルと出遇い、その社会に巻き込まれる:観察時に生じる相互行為の様々なかたち」『コミュニケーションの自然誌研究会』京都大学(京都).
  6. 花村俊吉 2012年10月(口頭) 「小谷真吾さんのご発表(『姉というハビトゥス:女児死亡の人口人類学的民族誌』)へのコメント」『本物の学際研究会』東京大学(東京).
  7. Hanamura S August 2012 (Poster) Society where they can stay apart from each other: focusing on female immigration and interactions through long-distance pant-hoots in chimpanzees at Mahale, Tanzania. XXIV Congress of International Primate Society, Cancun, Mexico. [Abstract: Program pp: 548-549 (No. 669).]
  8. 花村俊吉 2012年6月(口頭) 「嵐山のニホンザル社会の理解を試みる私のエスノグラフィー―観察現場で揺らぐ『人間/サル』『専門家/素人』の境界と人間が表象するサル社会の境界」『第46回日本文化人類学会分科会「人間と動物の境界についての人類学研究へ向けて」』広島大学(広島).
  9. 花村俊吉 2011年7月(口頭) 「嵐山のニホンザル社会における境界の生成と観察」『境界研究会』京都大学(京都).
  10. 花村俊吉 2011年7月(口頭) 「チンパンジーの社会に制度的現象を探る―長距離音声を介した行為接続と『ともにあり続ける/離れて居続ける』という実践に着目して」『AA研共同研究プロジェクト:人類社会の進化史的基盤研究(2)―制度』東京外国語大学(東京).
  11. 花村俊吉 2011年4月(口頭) 「『動物』の表象をめぐる『自然/人間』製造システムのなかで―学生レポートと嵐山のニホンザル観察時の私のフィールドノートのテクスト分析から」『境界研究会』京都大学(京都).
  12. Hanamura S August 2010 (Poster) Ethonomethod of the interactions through long-distance call, pant-hoot and the relation with their fission-fusion grouping pattern of chimpanzees at Mahale. XXIII Congress of International Primate Society, Kyoto, Japan. [Abstract: 霊長類研究(Primate Research) 26 suppl: 406 (No. 806).]
  13. 花村俊吉 2009年9月(ポスター) 「言葉をもたないチンパンジーの共在のセンス―長距離音声を介した相互行為の『形式』と『場』の分析から」『第6回日本質的心理学会大会』北海学園大学(北海道).
  14. 花村俊吉, 清野(布施)未恵子 2009年7月(企画・主催) 「社会の学としての霊長類学(第3回)―『他者』としての他個体と『社会的な複雑さ』」『第25回日本霊長類学会大会自由集会』中部学院大学(岐阜). [企画趣旨: 霊長類研究 25 suppl: 15.]
  15. 花村俊吉 2009年7月(口頭) 「彼らの社会的現実を目指して:チンパンジーの長距離音声を介した行為接続の『形式』とその『身構え』」『第25回日本霊長類学会大会自由集会「社会の学としての霊長類学(第3回)」』中部学院大学(岐阜).
  16. 花村俊吉 2008年7月(口頭) 「離合集散を生み出すチンパンジーの長距離音声・パントフートを介した相互行為」『第24回日本霊長類学会大会』明治学院大学(東京). [発表要旨: 霊長類研究 24 suppl: S17.]
  17. Hanamura S August 2008 (Poster) Male socio-spatial distribution and male-female interactions resulting in male escape in a provisioned troop of Japanese macaques (Macaca fuscata) at Arashiyama. XXII Congress of International Primate Society, Edinburgh, UK. [Abstract: Primate Eye 2008: 96 (No. 243).]
  18. 花村俊吉 2008年3月(口頭) 「長距離音声・パントフートを介した相互行為とグルーピングのあり方―チンパンジーの聴覚的な共在の生成・消失」『第13回生態人類学会研究大会』ひみ阿尾の浦温泉元湯魚眠洞(富山).
  19. 花村俊吉 2007年12月(口頭) 「離合集散するチンパンジーのメスと他個体との「共在」の多様なあり方―視界内・外の他個体との関わりのなかで発声/聴取される長距離音声・パントフートの分析から」『コミュニケーションの自然誌研究会』京都大学(京都).
  20. 花村俊吉 2007年10月(ポスター) 「チンパンジーが長距離音声パントフートに『返事しない』とはどういうことか?」『第26回日本動物行動学会大会』京都大学(京都).
  21. 花村俊吉, 清野未恵子, 中村美知夫, Magdalena Lukasik-Braum, Titus Mlengeya, 西田利貞 2007年5月(口頭) 「マハレのチンパンジーにおけるインフルエンザ様の病気」『第44回日本アフリカ学会大会』長崎ブリックホール(長崎).
  22. 花村俊吉 2007年3月(口頭) 「チンパンジーのメスの単独性―『離れていること』がいかに社会的な現象か」『第12回生態人類学会研究大会』星のふるさと・池の山キャンプ場(福岡).
  23. 花村俊吉, Mtunda Mwami, Mwami Rashidi 2006年11月(ポスター) 「予備的報告:タンザニア・マハレ山塊国立公園中北部のチンパンジーと哺乳類の生息状況と人為撹乱」『第9回SAGAシンポジウム』名古屋大学(愛知).
  24. 花村俊吉 2005年7月(口頭) 「ニホンザル社会におけるオスの空間的位置―嵐山E群におけるメスとの近接がオスの空間的位置に影響を及ぼす可能性」『第21回日本霊長類学会大会』倉敷市芸文館別館(岡山). [発表要旨: 霊長類研究 21 suppl: S2-3.]
  25. 花村俊吉 2005年5月(口頭) 「ニホンザル餌づけ群におけるオスの空間的位置とメスとの社会関係―空間的位置の分化機構と差異の観察」『第6回ニホンザル研究セミナー』京都大学霊長類研究所(愛知).
  26. 花村俊吉 2005年3月(口頭) 「ニホンザル社会におけるオスの空間的位置とメスの社会関係」『第10回生態人類学会研究大会』だて歴史の杜カルチャーセンター(北海道).
  27. 花村俊吉 2004年12月(ポスター) 「ニホンザルにおける中心オス、周辺オスのメスとの社会関係」『第23回日本動物行動学会大会』九州大学(福岡).
  28. Hanamura S March 2004 (Poster) Do Japanese men have an innate preference for women of the lower Waist-to-Hip Ratio? International Symposium African Great Apes: Evolution, Diversity and Conservation, Kyoto, Japan.
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