植物という生物は、なすすべもなく動物に食われている「かよわい」存在と思われがちです。しかし、地球上に生息するおよそ36万種以上の植食性昆虫を相手に、地球が「緑」に保たれているのは、植物自身食われないための努力を払っているからなのです。
最近、植物と動物の複雑な関係について研究が進むにつれ、植物の葉や茎に見られる従来意味不明であった微細構造が、対捕食者防衛などの機能を持っている可能性が指摘されるようになってきました。まだあまり知られていない、植物の表面に観察される微細構造と動物との関係を明らかにすることが、この研究の目的です。
●クスノキのダニ部屋
クスノキの葉にはダニ部屋(ドマティア)とよばれる、ダニの住んでいるコブがあります。これはクスノキ自信が作っているのですが、なぜ自分の葉にダニを住まわせているのでしょうか?
●アカメガシワの微細構造
アカメガシハの葉には、花外蜜腺、粒状分泌物(food body)、腺点、星状毛などの微細構造があります。これらの構造は捕食者から身を守るために、アリを呼び寄せるための構造のようです。
●キリの微細構造
キリの葉には、皿状器官、腺毛、樹脂状毛などの微細構造が観察されます。これらの器官は、捕食者から身を守るために役に立っているようです。
●卒業研究、学会要旨
幸島研で行なわれた、植物の微細構造と動物の関係に関する研究の要旨。