ネオンテトラ(Paracheirodon inessi)はなぜ派手か:水面下反射を使った捕食者撹乱?

池田威秀 幸島司郎(東工大・生命理工)

ネオンテトラ Paracheirodon inessi はアマゾンに生息するカラシン科小型熱帯魚である。同属の3種は全て体則に鮮やかなメタリックブルーと赤のラインを持っているが、この色彩の適応色としての意味はわかっていない。これまでの研究で、生息地のブラックウォーター中では青が目立ちにくいこと、背景の明るさにあわせて体色の微調整が行われていることなどから、隠蔽色としての効果があることが示唆された。しかし、青いラインがなぜ派手な金属光沢色でなければならないのかについて説明できなかった。
今回、この金属光沢の青いラインは、水面の裏側に明るい鏡像を写し出すことによって、下から襲ってくる捕食者の目を撹乱させる効果を持つ、新しいタイプの捕食防衛色ではないかとの仮説を検討した。


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