第1回講演会の講師紹介

酒井麻衣さん(京都大学野生動物研究センター・日本学術振興会 特別研究員 RPD)



[こんな研究をしています]
イルカの社会行動、特に身体的接触と同調行動について研究しています。伊豆諸島の御蔵島では、野生のイルカを水中で観察・ビデオ撮影をしています。鯨類の水中での社会行動をバイオロギングを使って分析したり、飼育下のイルカを観察したりもしています。これら3つの環境・方法で、イルカの社会・社会行動について明らかにしたいと考えています。
(野生動物研究センターHPより転載)


研究の様子を写真で見てみよう

海に潜って水中撮影!
母親イルカ(右)と子どもたち(左が姉、奥が弟)


めったに見れないイルカの正面顔


イルカは群れで生活する。仲間との関係は様々な社会行動によって保たれている。
写真左・手前の上のイルカが胸ビレで、逆さまになっている
写真下のイルカの体をこすっている。
この行動は「ラビング」と呼ばれ、仲良し同士の個体が行うと考えられている。


佐々木友紀子さん(京都大学野生動物研究センター 研究員(特別教育研究))



[こんな研究をしています]
世界には、一生を川や湖ですごすカワイルカというイルカたちが4種類います。
 中国の揚子江にすむヨウスコウカワイルカ、インドのガンジス川にすむガンジスカワイルカ、南アメリカ(南米)のアマゾン川にすむアマゾンカワイルカ、同じく南米のラプラタ川の河口にすむラプラタカワイルカです。どのカワイルカも、口先が長く、目もとても小さく退化していて、みなさんが普段よく水族館で見かける海のイルカとはずいぶんちがった見た目をしています。
 今、カワイルカたちは魚をとる網にかかったり、ダムの建設ですむ場所を別れ別れにされたりと、人間の活動の影響でどんどん数が減っています。特にヨウスコウカワイルカは深刻で、2007年に研究者のグループが揚子江全体を調べましたが、一頭も見つかりませんでした。もう絶滅してしまったのではないかと考えられています。
 ほかのカワイルカたちも同じように絶滅の危機にあり、彼らの生態を正しく理解して絶滅から守っていくことが緊急に必要です。
 さて、私はアマゾンカワイルカを研究しています。特徴の一つは、体がきれいなピンク色をしていることです。しかし、アマゾン川はとてもにごっているので、彼らが水中でどのように泳いでいるのかを目で直接観察することができません。
 そこで、彼らが「エコーロケーション」(エコロケ)のために発しているクリックスと呼ばれる超音波を調べ、彼らが一日の中でいつどこで何をしているのかを明らかにしようとしています。エコロケは連載Aのパンダイルカで出てきました。音でえさや障害物をさがすことでしたね。
 エコロケのクリックスが聞こえる方向の変化から、水中での彼らの動きを推定します。この方法なら、夜でもどんな動きをしているかを知ることができます。これまでの研究で、彼らが昼間には水につかった森の近くの浅い場所で魚を食べ、夜は深く流れがゆるやかな場所に集まることなどがわかってきました。
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私はいつも、川にうかべた「いかだ」の上の調査小屋で寝泊まりし、ブラジル人の研究者と調査をしています。水道や電気はありません。昼間に太陽電池で充電した電気を使い、川の水でシャワーをあびます。大変なこともありますが、おなかがすいたらピラニアを釣って食べたり、みんなでサンバを踊ったりと、楽しいこともたくさんあります。研究を続けて謎に包まれたカワイルカたちの生活を明らかにし、彼らを守ることに役立てていきたいと思っています。
(朝日小学生新聞2013年2月5日、8面「おいでやす野生動物の研究室」D川にすむイルカたち
許可を得て転載)

研究の様子を写真で見てみよう

アマゾン川を、カワイルカを探して調査。


水面に浮かんできたアマゾンカワイルカ


木下 こづえ (日本学術振興会 特別研究員 PD)



[こんな研究をしています]
希少種の生息域外保全に興味をもち、動物園や水族館などで希少種の飼育下繁殖に関わる研究を行っています。 飼育下でも、動物たちは本来の生息環境に適応した繁殖様式を示します。飼育下での繁殖効率を上げるため、行動学、細胞生物学、生殖内分泌学などの 視点から飼育下にある動物たちの繁殖生理について調べています。 また、最近は近赤外分光学も取り入れて、内分泌動態の迅速モニタリング法の開発にも取り組んでいます。
(野生動物研究センターHPより転載)


研究の様子を写真で見てみよう


動物園で生まれたボルネオオランウータンの仔とそのお母さん


ハイイロアザラシの体細胞培養風景





第2回講演会の講師紹介

高木直子さん(京都市動物園 種の保存展示課,飼育員)



高木さんに聞いてみたいことがあればメール


[こんな仕事をしています]

(画像をクリックすると、拡大したPDFファイルでご覧になれます)


野上悦子さん(京都大学野生動物研究センター 熊本サンクチュアリ,技術職員)


野上さんに聞いてみたいことがあればメール



動物に携わる仕事をはじめてから、かれこれ人生の半分が過ぎました。そばにはいつもチンパンジーたちがいます。わたしにとって彼らを単に「チンパンジー」と一言で言い表すのには若干抵抗があります。なぜなら、チンパンジーでありながらミッキーであり、ケンであり、タカボー、ヨシオ、ロマン、カナコ、コテツ・・・・と「ひとり」「ひとり」だからです。もちろんその個性も私たちヒトと同じように様々です。人に育てられたため何でも人に頼ろうとするケン、体の大きさは人一倍大きいのに肝っ玉の小さなコテツ、いつも冷静でやさしいロマン、お調子者のノリオ、不思議ちゃんのヨシエ・・・。そんな個性豊かな仲間たちは、互いにグルーミングしたり、レスリングや追いかけっこをして遊んだり、時には喧嘩したりして暮らしています。喧嘩をしても、援護射撃をしてくれたり、ふたりの間に入って仲裁してくれたり、ないて悔しがるのを慰めてくれる仲間がいます。そして喧嘩した当事者同士はびっくりするほどすぐに仲直りしてまた遊び始めます。しかし、彼らは「飼育下」という限られた空間にます。彼らに何をしてあげられるか、何が足りなくて何が必要かをいつも考えながら彼らと向き合っています。彼らが笑っていられるように・・・耳を澄まして彼らの笑い声が聞こえるひととき、一日が終わって彼らが自分たちで作ったベッドに寝転がりながら「おやすみなさい」の声が聞こえてくるひとときが、この仕事をしていて一番好きな瞬間です。

<野上さんの仲間たちの写真>











大島由子さん(京都水族館 獣医師)



大島さんに聞いてみたいことがあればメール


京都水族館で働く獣医の一人です。 幼い頃から動物が大好きで、動物に関わる仕事をしたいと思うようになりました。最初から獣医を目指していたわけではありません。 水族館にも獣医がいるの?と思われる方もいるかもしれません。水族館の獣医は白衣を着て診察室で待っているわけにはいかないので、毎日飼育スタッフと一緒に動物たちを観察し、世話をしています。そんな水族館獣医の仕事をはじめ、獣医とは?どうやったら獣医になれるのか?など、皆様の質問に答えながら、楽しくお話できればと思っています。

<水族館の獣医師さんのお仕事>

アザラシの体温測定


イルカの口内消毒


イルカの採血





第3回講演会の講師紹介

山野ひとみさん(京都水族館 飼育員)



講演タイトル: 

「淡水魚研究者から水族館飼育スタッフになりました。」

現在、私は京都水族館で淡水生物の飼育員として働いています。
飼育員になってまだ1年半しか経っていない新米です。
飼育員になるまでは、大学院で淡水魚の消化管の形と食性との関係について研究していました。

幼い頃から魚が好きで、大学の水産学科へ進学し、そこで淡水魚類の研究の面白さを知った私は迷わず大学院へ進みました。
大学院へ進んでからは学位を取ることに必死で、その先の就職については実はまったく考えていなかったのです。
まさか自分が水族館で働くことになるとは思ってもみませんでした。

飼育員の仕事について語るにはまだまだ経験不足ですが、今回の講座ではこれまで行なってきた研究のこと、 水族館へ就職したきっかけなど、今に至るまでの過程を含めてご紹介したいと思います。


山野さんに聞いてみたいことがあればメール


お仕事の様子

展示水槽のアクリル掃除の様子

『京都水族館の里山教室』の様子




安井早紀さん(京都大学野生動物研究センター 大学院生)


観察中に赤ちゃんゾウと散歩する安井さん


講演タイトル: 

「タイの村で暮らすアジアゾウたち」

ゾウは陸上最大の動物で、体の大きいオスだと体重が6トンにもなります。
私たちには聞こえない低周波という低い音を使って仲間同士でコミュニケーションを取ったり、長い鼻で何キロも先の ものの臭いをかぎ分けることができます。
このように私たち人間とはかなり違った世界で生きているゾウ達ですが、実際にゾウを観察していると、ゾウによって性格も違ったり、怖いことがある と仲良しのゾウに寄っていったり、人と同じだなぁと思うこともよくあります。

アジアの国々には、ゾウ使いと共に暮らし、仕事をするゾウたちがいます。
私は大学院で、日本や海外の動物園、さらにはタイで「ゾウの村」と呼ばれている村で、ゾウの研究をしてきました。
今回は、タイの村で暮らすアジアゾウの調査の様子を通して、ゾウってどんな動物なのか、人と生活しているゾウ たちはどんな生活をしていて、どんな問題があるのか、などを写真や動画を使ってお話ししたいと思います。


安井さんに聞いてみたいことがあればメール

タイの村でゾウを見る



タイのアジアゾウとゾウ使いたち



鼻で口を触りあってコミュニケーション




黒田恭子さん(京都市動物園 飼育員)



講演タイトル: 

「動物飼育員 〜私が夢を叶えるまで〜」

動物園の飼育員。それが私の小さいころからの夢でした。
今は京都市動物園で、カメ・トカゲなどの爬虫類とアジアゾウを担当しています。
夢が叶ったのです。

ですが、その道のりは決して簡単なものではありませんでした。
大学を卒業後、厳しい現実に悩みや迷い、不安を抱えながら
専門学校、動物病院、動物園の嘱託職員と何度も居場所を変え、
それでも少しづつ進んできました。

しかし、だからこそ得られた貴重な経験や素晴らしい人との出会いがあったのも事実です。
この色々な経験が今の私をつくり、京都市動物園との縁を結んでくれたのだと思いま す。

今回の講演会では、私のお仕事と今までの経験についてお話したいと思います。
これからそれぞれの夢を目指す皆さんの参考にしていただければ幸いです。

どうぞお気軽にお越しください!

黒田さんに聞いてみたいことがあればメール







第7回(講演会)の講師紹介

久世濃子さん(日本学術振興会 特別研究員/国立科学博物館)



講演タイトル: 

「動物園とボルネオ島でのオランウータン研究」


<こんな研究をしています>

大学院修士課程から現在まで、足かけ15年間、大型類人猿の一種、オランウータンを研究しています。
修士課程で日本の動物園で研究、博士課程からボルネオ島の保護施設(リハビリテーションセンター)で調査を続け、 学位取得後はボルネオ島の熱帯雨林(ダナムバレー森林保護区)で、後輩や現地の協力者と新しい調査地を立ち上げて、調査を続けています。

研究テーマは、「『顔』が成長に伴ってどのように変化するか」、視覚コミュニケーションや「遊び」における性差、などに取り組んだ後、 現在は、「雌の繁殖生態、繁殖生理」を主なテーマにしています。

2013年末に、オランウータンの生態や調査の様子をまとめた入門書「オランウータンってどんな『ヒト』?」という入門書を朝日学生新聞社から出版しました。

久世さんに聞いてみたいことがあればメール


研究の様子

オランウータンの母子


11ヶ月の娘とボルネオへ


「オランウータンってどんなヒト」朝日学生新聞社






吉田信明さん(京都高度技術研究所 研究員)



講演タイトル: 

「コンピュータの目で動物たちをもっと生き生きと!
〜動物園でのセンサーデータの活用に向けて〜」


京都市動物園では、動物舎に様々なセンサーを取り付けて、動物の飼育環境や行動を記録し、
飼育活動に生かすための取り組みを行っています。センサーは、動物の行動や飼育環境を
様々な観点から長期間にわたって客観的な数値データとして記録することができます。
動物園の皆さんの緻密な観察に加え、このようなデータを活用することで、より生き生きとした
飼育展示の実現を目指しています。


吉田さんに聞いてみたいことがあればメール


<動物園でセンサーを使った研究を試みる>


黄色の丸の中が仕掛けたセンサー

飼育担当者と協力して設置場所を検討

センサーの動作をPCでモニターする。

ICT研究者も実はフィールドワーカーだった!?
雪にも負けず、センサーを設置する。






動物園資料室探検

元白川小学校の教室を利用した動物園資料室

動物園には、さまざまな動物のはく製や標本が眠っています。
そんな資料室をのぞいてみませんか。



骨格標本を使った骨学実習の様子



堀川高校探求学習での様子










上記の先輩以外にも、こんな女子の先輩たちが世界各地で野生動物の研究をしています。

南米チリ沖でイルカの声を探る
イロワケイルカ



東南アジアの島、ボルネオ島で捕獲したシベット(ジャコウネコ)の生体計測
ボルネオ島の森
ビントロング



アフリカ大陸、タンザニアのサバンナで、
ハイラックス(上の写真)の棲む岩場を観察





マレー半島の森で夜間カメラによる撮影



京都市水族館でイルカの行動を観察



先輩たちに聞きたいことがあれば以下までメールして下さい。
girls-wildlife@wrc.kyoto-u.ac.jp

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